マイクロソフト、Xboxハードウェア事業撤退説を(今のところ)否定 ゲームパスは今後さらに値上げか
マイクロソフトは「次世代Xboxゲーム機やデバイスの設計・開発・製造に積極的に投資している」との声明を、米メディアWindows Centralに寄せています。
これは、同社が「次世代Xboxハードウェア計画を中止した可能性がある」との噂が広がる中での発表であり、実質的にゲームハードウェア事業から撤退しない方針を示したかたちです。
この噂の発端は、Xbox関連の著名リーカーSneakersSO氏が海外ゲームフォーラムNeoGAFに投稿した情報です。同氏は、Xboxファーストタイトルの他機種展開を正確に予想した実績があり、The Verge編集者のTom Warren氏も「彼はXbox部門で何が起きているかをよく知っている」と語っています。
SneakersSO氏によると、主な内容は次の通りです。
- 当初、次世代Xboxの製造開始は2026年、発売は2027年に予定されていた。
- しかし最近のレイオフ以降、Xbox事業の内部体制が不透明になり、この計画も「不確定」な状態になっている。
- 新世代ハード投入の準備が進まず、「製造開始の引き金を引く段階」に達していない。
- 今後は、収益性の高いIP(Call of Duty、World of Warcraft、Minecraft、Candy Crush、Forza Horizonなど)に特化したソフトウェアパブリッシング事業へ重点を移していく。
- Xboxプラットフォームはクラウドゲームを中心とし、Game PassはxCloudサブスクリプションの入り口になる。
- 自社タイトルやストアを、購入意欲のあるユーザーがいるあらゆる機器に展開していく。
また、マイクロソフトは最近、Xbox Game Passサブスクリプション料金を大幅に引き上げたばかりですが、SneakersSO氏は「これで終わりではなく、今後も値上げは続く」と述べています。日本ではすでに月額2,750円と、以前のほぼ2倍になりましたが、さらに上昇する可能性があるということです。
今回のマイクロソフトの声明によって、「次世代Xboxゲーム機の計画中止=ハードウェア事業からの撤退」という噂は否定されました。Windows Centralも「非常に信頼できる情報源」から確認したとして、撤退の方針は事実ではないとしています。ただし、「少なくとも今のところは」という注釈付きです。
Xbox部門責任者のサラ・ボンド氏は、ファンに向けて「次世代Xboxハードウェアのロードマップに投資しており、これまでで最大の技術的飛躍を実現することを目指している」とコメントしています。この約束が守られることを期待したいところです。
京都大学法学部大学院修士課程卒。著書に『宇宙政治の政治経済学』(宝島社)、『ガンダムと日本人』(文春新書)、『教養としてのゲーム史』(ちくま新書)、『PS3はなぜ失敗したのか』(晋遊舎)、共著に『超クソゲー2』『超アーケード』『超ファミコン』『PCエンジン大全』(以上、太田出版)、『ゲーム制作 現場の新戦略 企画と運営のノウハウ』(MdN)など。現在はGadget GateやGet Navi Web、マグミクスで記事を執筆中。