米政権、仮滞在資格の移民50万人に出国命令-キューバなど4カ国対象
キューバとハイチ、ニカラグア、ベネズエラの4カ国を対象とする米国の仮滞在措置制度で入国した移民が仮滞在資格の終了を通知され、出国を命じられていることが分かった。同制度はバイデン前政権が人道目的で導入した。
米国土安全保障省は12日、同制度の利用者に対し、労働許可も即時に取り消すと電子メールで通知したと発表した。
この通知は、米連邦最高裁が先月、これら移民50万人の仮滞在資格の剝奪を同省に認める判断を下したことを受けた措置。トランプ政権による仮滞在措置制度の廃止を巡っては異議が申し立てられており、現在も法廷で争われている。
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今回の措置は、一時的な移民保護策を段階的に終了させる政権方針の一環。既にベネズエラやアフガニスタン、ネパール、カメルーンからの移民の一時保護資格(TPS)を取り消している。
国土安全保障省のマクロークリン次官補は声明で、バイデン前政権はこの制度を通じて入国させた移民の審査を適切に行っておらず、こうした移民は米国人労働者に悪影響を与えていたと説明。この制度を終了させることは常識的な政策や安全保障、米国第一への回帰に不可欠だと述べた。
この制度の月間3万人の受け入れ枠に対し申請数は大幅に上回り、米国内では人手不足の業種を中心に同制度による入国者が多数雇用された。建設業や医療業界は、今回の労働許可取り消しにより人手不足に陥る可能性がある。
難民支援団体「グローバル・レフュジ」の代表、クリシュ・オマーラ・ビグナラジャ氏は、今週通知を受け取った移民は身元調査を通過し、合法的に働いていた人々だと指摘し、 「秩序ある合法的な入国経路を通じて、求められた全ての要件を守ってきた人々に報いるどころか、処罰する措置だ」と声明で非難した。
原題:Trump Administration Orders 500,000 Immigrants to Leave US (1)(抜粋)