サマーズ氏、FRBの「職務逸脱」巡るベッセント氏の問題提起を支持

サマーズ元米財務長官は、米連邦準備制度(FRB)による金融政策以外の活動に対し疑問を呈するベッセント財務長官の姿勢に支持を示した。その上で、一部の分野については金融当局の独立性という広範なテーマとは切り離して議論すべきだとの認識を示した。

  「歴史が示す通り、FRBは金利の決定や経済にどれだけ刺激を与えるかという点において、自律性と独立性を持つべきだ」と、サマーズ氏はブルームバーグテレビジョンの番組「ウォールストリート・ウィーク」で語った。

  「政治プロセスがFRBの判断に干渉すると、結果としてインフレが加速し、経済の安定性が損なわれ、最終的には金利がより高くなる。この教訓は明らかだ」と述べた。

  ベッセント氏は以前から、金融政策は外部の干渉を受けないよう厳重に守られるべきだと繰り返し主張している。

  一方、金融政策以外については21日に、FRBが「金融政策以外の業務について徹底的な内部検証」を行うことを求めた。22日にはFOXビジネスの番組で、そのような取り組みがパウエルFRB議長の「レガシー(後世に残す実績)」の一部となり得ると述べた。

  ハーバード大学教授であり、ブルームバーグテレビジョンの有償のコントリビューターでもあるサマーズ氏は、金融規制や金融安定性の監督に関してはFRBに「自律性を持たせる根拠はない」との見方を示した。

  「こうした分野については、政治家による判断が影響を持つのは当然だ」とサマーズ氏は述べ、「それらの領域においてFRBが完全に独立し分離されているべき理由はない」と語った。

  サマーズ氏は、公共政策に関する領域について「FRBがその道徳的権威を行使すべきなのか、また国家的な議論に積極的に関与すべきなのかは、真剣に問うべき問題だ」との考えを示した。

  共和党は長年にわたり、連邦準備制度による経済研究の一部を批判してきた。地区連銀が住宅や教育など幅広い公共政策に関する調査を行い、特定テーマに焦点を当てた会議を主催してきたことが背景にある。

  サマーズ氏は、「公共政策やいわゆるリベラルアーツ的と思われる領域へのFRBの関与について、一部で行き過ぎがあったとの懸念は、極めて正当だ」と述べ、「ベッセント長官がこうした問題を提起したのは正しい」と支持を示した。「FRBの独立性と、本来の役割を逸脱する職務の拡大という問題は、まったく正当な議論の対象であり、検証と議論が行われるべきだ」と語った。

原題:Summers Says Bessent Right to Question Fed on ‘Overreach’ (1)(抜粋)

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