録音は全部AIに任せる AIレコーダー実践運用術【Watch+】

筆者は、取材や会議、電話でのやりとりなど、業務に関わるあらゆる場面で録音しています。特に取材や電話では、後になって「言った」「言っていない」といった認識のズレが生じやすく、記録を残しておくことはトラブル回避の観点からも重要です。

人間の記憶は想像以上にあいまいで、発言の細部や文脈の記憶は時間の経過とともに容易に変質します。そのため筆者は、メモや記憶に頼るのではなく、事実として確認できる音声記録を残すことを前提に業務を行なっています。

数年前まで、音声の文字起こしは精度面でも使い勝手の面でも十分とは言えず、一般的な手法とはいえませんでした。しかし現在では、文字起こしは特別な作業ではなくなり、精度も実務に耐える水準に達しています。

筆者自身、これまでHiDockやPLAUD、Google Pixelを使って文字起こしを行なってきました。少なくとも「文字起こし精度」という観点で見れば、これらの間に大きな差は感じていません。端末内で処理を行なうGoogle Pixelは、クラウド型と比べて若干精度は落ちますが、実用面では非常に高い完成度を持っています。

筆者がAIレコーダーを選ぶ際に、重視しているのは文字起こしの精度ではありません。すでに述べた通り、現在の主要なAIレコーダーは、実務に耐える水準の文字起こし精度を備えています。使い分けの基準となっているのは、主に以下の3点です。

  • その場で「操作」を意識せずに済むか
  • 録音後に「どこまで自動で整理されるか」
  • 最終的に「自分の管理場所」に残せるか

HiDockは、主に在宅勤務時に使用しています。利用しているのは、ドック型の録音デバイス「HiDock H1」。会議中に本体の録音ボタンを押し、終了後に「HiNotes」を起動するだけで、録音データが自動で文字起こしされ、要約まで行なわれます。

HiNotesアプリ

PC作業スペースに常設できる点や、録音から整理までの工程が極力シンプルにまとめられている点は、在宅勤務との相性が良いと感じています。会議内容をすべて精読する必要がない場合でも、要点を素早く把握できる点が便利です。

HiDock H1

対面での取材では、スマートフォン背面に装着できるカード型の「PLAUD Note Pro」を使っています。取材中はカード側のボタンを長押しするだけで録音が開始され、終了後に専用アプリを開くと、自動で音声データが転送され、文字起こしと要約が行なわれます。

PLAUD専用アプリ
PLAUD Note Pro

また、対面取材時には、PLAUD Note Proの補助としてGoogle Pixelでも録音しています。Pixelはリアルタイムで文字起こしが行なわれるため、取材中は画面を点けたままにし、文字起こし結果を随時確認しています。これにより、聞き取れなかった箇所や聞き漏らしが疑われる部分をその場で確認しながらメモを取ることができ、取材後の確認作業を減らす効果があります。

このように、筆者は在宅勤務、対面取材、会議といった場面に応じて、複数のAIレコーダーを使い分けています。一見するとツールが分散しているようにも見えますが、最終的な着地点は一つです。

それぞれのレコーダーが用意しているアプリにデータが保存されますが、これだと記録が分散されてしまうため、最終的には「Notion」に集約するようにしています。情報を管理し、後から参照する場所をNotionにまとめることで、見返すのも楽になります。

Notion

ChatGPTではNotionと連携が可能なため、ChatGPTに取材などに関する質問を問いかけることで、Notion上に集約されたデータから情報を引っ張ってくれるため、これもまた便利に感じています。

ChatGPTはNotionと連携できる

各ツールの特性を理解したうえで役割を分けて考えることで、それぞれの強みを無理なく活かすことができます。結果として、録音から整理、再利用までの流れが安定し、業務全体の効率も高まるのではないでしょうか。

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