トランプ政権、ロボットや医療機器の輸入調査開始-新たな関税に布石
Jennifer A Dlouhy
- 商務省の調査、通商拡大法第232条に基づく-9月2日に開始
- 関税対象となり得る分野広がる-政権、主要産業の国内製造重視
米商務省はロボットや産業機械、医療機器の輸入について調査を開始した。トランプ大統領が関税措置の拡大を進める中、新たな関税発動につながる可能性がある。
連邦官報によると、調査は通商拡大法第232条に基づき、9月2日に開始した。232条は国家安全保障上重要と判断された製品に大統領が関税を課すことを認めており、商務省は270日以内に政策提言をまとめることになっている。
新たな調査により、関税対象となり得る分野がさらに広がる。トランプ氏は輸入コストを引き上げることで、主要産業の国内製造を後押しする考えだ。
商品を入れた容器を運ぶファナック製ロボットアーム(9月23日。フロリダ州デイトナビーチにあるアマゾン・ドット・コムの物流拠点で行われた報道陣向けの施設見学会で撮影)
既に医薬品や半導体、航空機、重要鉱物、中・大型トラックなどの輸入に関する調査は進行中。政権は232条を活用し、自動車や銅、鉄鋼、アルミニウムに関税を課している。
業界別調査に基づく関税は、国別に課している既存の関税に加えて賦課される。ただ、欧州連合(EU)や日本など主要国・地域の一部は関税の「スタッキング(上乗せ)」を防ぐ合意を米国と結んでいる。
今回の調査は注射器や縫合糸、カテーテル、ガーゼなど医療消耗品を外国に依存する現状を巡るトランプ政権当局者の懸念を反映するものだ。
商務省はコロナ禍に広く使われた手袋やマスクなど個人用防護具(PPE)の貿易も精査する。ただ処方薬やバイオ医薬品などは商務省の別の調査に含まれており、今回は対象外となる。
連邦官報によると、ロボットと産業機械の調査では、コンピューター制御の機械システムや工場で広く利用されているフライス盤やプレス機などが焦点になる。
原題:US Sets Stage for Tariffs on Robotics, Medical Devices (1)(抜粋)
— 取材協力 Laura Curtis
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