NY外為市場=ドル下落、CPIで来月の利下げ観測裏付け

ニューヨーク外為市場ではドルが主要通貨に対し下落した。2023年3月撮影(2025年 ロイター/Dado Ruvic)

[ニューヨーク 12日 ロイター] - ニューヨーク外為市場ではドルが主要通貨に対し下落した。7月の消費者物価指数(CPI)が緩やかな上昇にとどまったことで、米連邦準備理事会(FRB)が来月の会合で利下げに動くとの観測が裏付けられた。

労働省発表の7月のCPIは前年比2.7%上昇と、伸びは前月から横ばい。前月比は0.2%上昇と、伸びは前月の0.3%上昇から鈍化した。

コーペイのチーフ市場ストラテジスト、カール・シャモッタ氏は、基調インフレが抑制されているため、FRBは労働市場に弱さの兆しが出ていることに対応できると指摘。今月21─23日に米ワイオミング州で開かれる経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」に言及し、「パウエル議長は21日にジャクソンホールで行う講演で、9月の会合での利下げを選択肢として示す必要がある」と述べた。

フォレックス・ドットコムのアナリスト、ファワード・ラザクザダ氏は「FRBが今後、連続利下げに踏み切れば、米国と他の国の金利差が急速に縮小するため、特に高金利通貨に対しドルが下落する可能性がある」と指摘。

一方、コーペイのシャモッタ氏は、関税措置が世界的な経済成長に及ぼす影響が見通せない中で、ドル相場が年末に向けてどのように反応するか予測するのは難しいととし、「特に秋の初めの時点の見通しは極めて捉えにくいため、世界的な景気減速が示されれば、ドル相場の安定につながる可能性もある」と述べた。

注目されているパウエルFRB議長の後任人事を巡っては、候補者の1人に名前が挙がっているジェームズ・ブラード前セントルイス地区連銀総裁がこの日、打診されれば受け入れる姿勢を表明。FRBは9月から今後1年で1%ポイントの利下げを実施するとの見通しを示し、利下げを支持するシグナルを発した。

終盤の取引でドル/円は0.3%安の147.74円。ユーロ/ドルは0.4%高の1.16663ドル。

暗号資産(仮想通貨)のビットコインはほぼ横ばいの11万9295ドル。

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