ボールは?打順は? 渋野日向子と勝みなみ“H&M”がダブルス戦リベンジへ青空作戦会議
◇米国女子◇ダウ選手権 事前(24日)◇ミッドランドCC(ミシガン州)◇6287yd(パー70)
練習ラウンドのスタートとなる1番ティで渋野日向子がおもむろにつぶやいた。「ボールは、かっちゃんのダイヤモンドでいいと思うんだよね」。2年連続で勝みなみとコンビを組んで臨むツアー唯一のダブルス戦では、初日と3日目に1つのボールを交互に打つフォアサムでプレーする。各選手がこだわりを持って選んでいるボールをどちらに合わせるかもポイントになってくる。
昨年もフォアサムは勝のボールで戦った。渋野が住友ゴム工業とボール契約を結び、2人とも同じメーカーを使用しているのは1年前にはなかったプラスポイント。普段は「Zスター XV」ユーザーだが、勝の使用するスピン量に特化した「Zスター ダイヤモンド」もオフにはテストで打っており、特性は把握している。
フォアサムでは、それぞれが奇数ホールと偶数ホールの1打目を担当する。3番、11番と2つあるパー5を含めた奇数のティショットを勝に任せるのは、「距離を稼いでもらいたい」(渋野)という考えから。前週「KPMG全米女子プロ」から、契約メーカーの最新モデル「ZXi」にスイッチしてドライバーが好調な相棒が心強い。
この日一緒に回った練習ラウンドでも、奇数ホールは勝のセカンド地点から渋野が、偶数は渋野のセカンド地点から勝がショットを打ってシミュレーション。パー5の3番では狙い通りにバーディも決めた。
2人がフォアサムへの意識を隠さないのは、20位だった前年大会に苦戦したフォーマットだから。昨年は2日とも「71」とオーバーパー。ペアのそれぞれがプレーしてホールごとに良い方のスコアを採用するフォアボールでは2日目「61」、最終日「63」としっかり伸ばしているだけに、より難しい方式をどう攻略するかがテーマになる。
2年連続の参戦は、前年大会の最終日を終えた時点で決めていたという。勝は「どっちから誘うでもなく…意思の疎通ですね」と笑い、自然とスケジュールに組み込んでいたことを明かす。名前の頭文字をとったチーム名「H&M」も文句なしで継続。やはり今年も同じ一軒家を借りて共同生活を送る息ピッタリの2人には、昨年の反省点もある。
「相手のために優しさを捨てよう」――。お互いがパートナーに苦しい状況を残したくないと気を遣い、グリーン上で打ち切れないシーンもあった。教訓を生かし、作戦を練って臨むリベンジの舞台。勝は「優勝です」と目標を力強く見据えた。(ミシガン州ミッドランド/亀山泰宏)