iPhone 17どこで買う?「全キャリア」価格比較。キャリアは2年返却、4年使うならApple Storeの一括購入

■複雑な仕組み「実質負担額」のカラクリをひもとく  iPhone 17シリーズの購入先で悩む人は多いだろう。Appleの直販で買うか、キャリアショップで買うか。現在のiPhoneはすべてSIMフリーで販売されており、どこで買っても同じ製品が手に入る。購入後の回線変更も自由だ。 【写真で見る】9月に発売されたiPhone 17シリーズは、どこで買うのが一番お得か  Apple Storeは本体価格がキャリアより安く、分割払いの仕組みもシンプルだ。一方、キャリアショップの強みは「端末購入補助プログラム」にある。このプログラムには3つの選択肢がある。1年で返却(ドコモとソフトバンクのみ、保証加入必須)、2年で返却(全キャリア対応、最も実質負担額が安い)、4年かけて端末を自分のものにする、という選択だ。多くの人が選ぶ2年返却は、実質的に端末をリース契約する形になっている。

 店頭購入では注意点がある。多くのキャリアショップで「頭金」という名目の店舗利益が5000円から1万円上乗せされる。オンラインショップなら、この費用は発生しない。  事務手数料も考慮が必要だ。店頭では各社3850円かかるが、オンラインショップなら削減できる。ドコモオンラインショップは完全無料、auオンラインショップは機種変更時無料、ソフトバンクオンラインショップは自宅受け取りで無料、楽天モバイルは店頭・オンライン共に無料だ。

 修理対応は購入場所にかかわらずAppleが担当する。故障や紛失に備えるなら、AppleCareなどの保証プログラムへの加入が必要だ。一部のキャリアはAppleCareを拡張した独自の補償プログラムも提供している。 ■Apple Storeで買う場合  Apple StoreでiPhoneを買うなら、オンラインでの事前予約が推奨される。希望のモデル、容量、カラーと来店日時を指定すれば、店舗での待ち時間を大幅に短縮できる。

 予約方法は簡単だ。公式サイトで機種や支払い方法を選び、受け取り日時を指定する。来店時は注文確認メールと身分証明書を持参すればよい。  支払い方法は一括・分割に加え、「ペイディあと払いプランApple専用」も選べる。クレジットカード不要で最大36回払い、条件により分割手数料0%になるサービスだ。  購入費用を抑えたいなら「Apple Trade In」を活用したい。旧製品の下取りで新規購入価格から割引、またはApple Gift Cardとして還元される。3〜4年前のモデルでも3万円程度の下取り価格がつくことが多い。


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 25カ月目以降も使い続ける場合、最終回分を再度24回に分割できる。最大47回払い(最初の23回+再分割24回)で端末を完全に所有する選択肢もある。  返却時に故障や破損があると判定された場合、補償プログラム「故障紛失サポート ワイド with AppleCare Services & iCloud+」に加入していれば2200円、未加入なら最大2万2000円の故障時利用料が発生する。補償プログラムの月額料金は、iPhone 17 Proシリーズが1980円、iPhone 17とiPhone Airが1780円だ。

 プログラムの利用料は無料だが、対象機種の購入時に加入する必要がある。後からの契約はできない。au回線の有無にかかわらず利用でき、回線解約後もプログラムを継続できる。 ■au:他社からの乗り換え・機種変更で割引あり  au Online Shopでは他社からの乗り換え時にオンラインショップ限定割引が適用される。iPhone 17が2万2000円、その他機種が1万1000円の割引となる。  機種変更の場合、「新iPhone機種変更おトク割」を利用できることがある。30カ月以上au回線を利用し、指定料金プランに加入し、故障紛失サポートに加入という条件を満たすと、1万1000円の割引が適用される。

 iPhone 17(256GB)の支払い例を見てみよう。機種代金15万2900円は、初回3312円、2〜23回目は月々3304円の分割払い(合計7万6000円)と、24回目の残価7万6900円で構成される。auの「スマホトクするプログラム」では13〜25カ月目まで返却可能だが、いつ返却しても23回分の支払いは必要となる。25カ月目に返却すると残価7万6900円が免除され、実質負担額は7万6000円となる。返却せずに使い続ける場合は、残価7万6900円を再度24回に分割でき、最大47回払いで端末を完全に自分のものにできる。MNPの場合は2万2000円の割引が適用され、実質負担額は5万4000円に下がる。


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■楽天モバイルで買う場合  楽天モバイルは「買い替え超トクプログラム」を展開している。48回払いの分割購入を前提とし、25カ月目以降に端末を返却すると、残りの支払いが免除される仕組みだ。iPhone 17(256GB)をこのプログラムで購入し、25カ月目に返却した場合、24カ月分の分割支払金7万3392円が実質負担額となる。  故障や破損がある場合、最大2万2000円が発生する。「故障紛失保証 with AppleCare Services & iCloud+」に加入することで、故障時の負担を軽減できる。

 支払い方法は楽天カードのみで、他のクレジットカードは利用できない。25カ月目より前の返却はできず、早期返却による特典はない。  iPhone 17(256GB)の支払い例では、楽天モバイルは12カ月での早期返却プログラムを提供していない。25カ月目に返却する場合、機種代金14万6800円を48回分割で購入し、月々3058円を24回支払う。実質負担額は分割支払金7万3392円となる。残りの24回分(7万3408円)は返却により免除される。

 楽天モバイルの特徴は、MNPで最大2万1000円のポイント還元キャンペーンを実施している点だ。内訳は他社から乗り換え特典1万円、対象端末購入で6000円、対象iPhone下取りで5000円となる。このポイント還元を受けるには、事前エントリーとRakuten Linkアプリの利用が必要だ。ポイントは条件達成の翌々月末日頃から3回に分けて付与され、受け取り手続きが必要となる。新規契約では最大1万8000円、機種変更や端末単体購入では最大5000円のポイント還元となる。

■まとめ:返却前提のリース型か、完全購入か  キャリアの購入補助プログラムは「2年後に端末を返す」ことで安くなる仕組みだ。MNPならドコモが最安の3万1966円だが、これは端末を借りているだけで、自分のものにはならない。傷をつければ追加費用が発生し、返却時期を逃せば割高になる。  完全に自分のものにしたいなら、Apple Storeの12万9800円が最安だ。下取りや分割払いも使える。4年使うつもりなら、キャリアのプログラムより結果的に安くなる。

 月々の支払いを抑えたい人はソフトバンクの「月額1円」が魅力的に見えるだろう。だが保証料と返却時の費用で結局4万円以上かかる。楽天モバイルのポイント還元も条件が複雑で、受け取り忘れのリスクがある。  端末購入は「所有」か「利用」かの選択だ。2年ごとに最新機種を使いたいならキャリアのリース型、長く使うなら一括購入。この基本を理解してから、価格比較に入るべきだろう。

石井 徹 :モバイル・ITライター


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■ソフトバンクで買う場合  ソフトバンクはiPhone 17(256GB)を15万9840円から販売している。「新トクするサポート+」は2025年8月から始まった新プログラムで、特典Aと特典Bのどちらかを選択できる。  特典Aは13〜24カ月目の間に端末を返却し、最大36回分の支払いが免除される。特典Bは25カ月目以降の返却で最大24回分が免除される。特典Aでは早期利用料と特典利用料の2種類、特典Bでは特典利用料のみを支払う。特典Aは「あんしん保証パック」への加入が必須だが、特典Bでは任意となる。

■ソフトバンク:料金体系の特徴  ソフトバンクの料金体系の特徴は、分割支払金の設定にある。iPhone 17(256GB)の場合、機種変更では1〜12カ月目が「月額1円」に設定されている。MNPではオンラインショップ限定割(9936円割引)を併用して同様に「月額1円」を実現している。13〜24カ月目以降は月額4439円となる。  特典Aで13カ月目に返却する場合、12カ月間の分割支払金は合計12円だが、返却時に特典利用料2万2000円を一括で支払う。さらに「あんしん保証パック」月額1580円を13カ月分支払うと2万540円となる。iPhone 17(256GB・MNP)では早期利用料は0円のため、実質負担額は4万2552円となる。

 iPhone 17 Pro(256GB)の場合、同様に1〜12カ月目は「月額1円」だが、特典Aで13カ月目返却時は特典利用料2万2000円に加え、早期利用料2万7500円を一括で支払う。「あんしん保証パック W with AppleCare Services & iCloud+」13カ月分2万5740円も含めると、実質負担額は7万5252円となる。  特典Bを選択して25カ月目に返却する場合、特典利用料2万2000円のみで利用できる。iPhone 17(256GB)機種変更では24カ月分の分割支払金5万3280円と特典利用料を合わせて7万5280円、MNPでは分割支払金2万24円と特典利用料を合わせて4万2024円が実質負担額となる。


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■ドコモで買う場合  ドコモは「いつでもカエドキプログラム」と「いつでもカエドキプログラム+」の2つのプログラムを用意している。  「いつでもカエドキプログラム」は端末返却を条件に残債を免除する仕組みだ。24回の分割契約で、1〜23回目まで通常の分割払いを行い、24回目に設定された残価を一括払いするか、返却で免除するかを選ぶ。  「いつでもカエドキプログラム+」は12〜22カ月目の早期返却が可能で、1年ごとに最新モデルへ乗り換えられる。早期返却時は返却後の支払金と残価が免除されるが、早期利用料と「smartあんしん補償」への加入が必須となる。このプログラムはiPhone Air、iPhone 17 Pro、iPhone 17 Pro Maxで選択可能だが、標準モデルのiPhone 17は通常プログラムのみ利用可能だ。

 「smartあんしん補償」は故障時の修理代金を上限1万2100円に抑え、紛失時には交換機を提供する。月額料金はiPhone 17 Pro Maxが1720円、iPhone 17 ProとiPhone Airが1460円となる。 ■ドコモ:分割契約+早期返却のプランを利用する場合  iPhone 17 Pro(256GB)で12カ月返却する場合を見てみよう。MNP価格20万3940円に対して、12カ月間の分割支払金4万8552円(4046円×12カ月)、早期利用料1万2100円、必須の「smartあんしん補償」13カ月分1万8982円を合わせて、実質負担額は7万9634円となる。

 25カ月目に返却する場合、早期利用料は発生しない。1〜23カ月目までの分割支払金の合計9万3060円が実質負担額となる。23カ月目の返却で24回目の残価支払いが免除され、2年後に新モデルへ乗り換えやすくなる。 ■auで買う場合  auの「スマホトクするプログラム」は、24回の分割契約で最初の23回は通常払い、24回目に残価が設定される。13〜25カ月目の間に端末を返却すると、最終回の支払いが免除される仕組みだ。

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