トランプ政権、新たな関税を発動 強制労働対策が不十分として60の国・地域に
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アメリカは24日午前0時(日本時間同日午後1時)すぎ、約60の貿易相手国・地域に対し、強制労働を適切に阻止していないとして、新たな関税を発動した。アメリカは輸入の大半を、それらの国・地域と行っている。
米当局の発表によると、新たな関税の対象はイギリス、中国、欧州連合(EU)、カナダ、日本、インドなど、アメリカの主要経済パートナー。税率は10~12.5%。日本の税率は12.5%。
今年2月に導入した、外国製品に対する一時的な10%の関税が期限切れとなるのを受けたもの。米連邦最高裁判所は同月、大統領の緊急権限に基づいて世界各国を対象に課した関税の多くについて、違法との判断を示した。
米通商代表部のジェイミソン・グリア代表は23日の声明で、「今回の行動は、人権侵害であり、ゆがんだ貿易慣行でもある現状を是正し、あらゆる場所の労働者の福祉を向上させる」と主張。アメリカの商業に負担や制限をかける行為に対する同国の貿易執行を規定する、1974年通商法第301条を発動するとした。
通商代表部の説明では、今回の関税措置は、「強制労働によって生産された商品に対して輸入禁止措置を取り、それを効果的に執行しなかった」ことを理由に、アメリカの貿易相手に課す。
アメリカの貿易相手の上位60の国・地域に適用する。それらの国・地域からの輸入は、アメリカの輸入全体の99.4%を占めるという。
同部はまた、トランプ政権が2期目に、強制労働によって製造された製品の輸入禁止を、他国との相互貿易協定における「重要な」要素に据えていると説明。これまでに10の貿易相手が禁止措置を講じることに合意しており、ここ数週間で調査結果をもとに禁止措置を講じた国もあるとした。
そして、強制労働によって製造された製品の輸入禁止を「採用し、効果的に実施することを約束した」貿易相手には10%の関税を、そうでない貿易相手には12.5%の関税を課すと付け加えた。
トランプ政権は今週、別の法令の1930年関税法第338条を根拠に、カナダからの製品に対して50%の関税を課した。
日本は「遺憾」
新たな関税の対象となる国々が、この発表に反応を示している。
ブラジル政府はこの措置を、「不当」かつ「恣意(しい)的」だと批判した。
日本の木原稔官房長官は24日の記者会見で、新たな関税について「遺憾だ」と述べた。また、自国の貿易は国際的なルールにのっとっていると述べた。
オーストラリアのドン・ファレル貿易・観光相は、今回の関税措置は「全く正当化できない」とコメント。同国の製品に対するすべての関税を撤廃するよう、引き続き米政府に働きかけていくとした。
トランプ氏の看板政策
トランプ氏は以前から、関税によって米国内で製造業の雇用が増え、経済が活性化すると述べてきた。
昨年ホワイトハウスに戻ると、世界中の貿易相手に対して最大50%の関税を発動。「解放の日」だと宣言した。
そして、こうした措置は、アメリカに対する各国の数十年にわたる不公正な扱いに対処するものだと主張した。
しかしエコノミストらは、関税の引き上げによってコーヒーや電子レンジといった日用品の価格が上昇する可能性があると警告している。関税は輸入企業が支払うため、その追加コストを価格に転嫁し、消費者に負担させる企業が多いからだ。
ホワイトハウスは、これらの関税はアメリカの労働者を保護し、公正な競争を確保するために必要だと主張している。
しかし、経済団体や影響を受ける国々は反発するとみられる。多くの貿易相手は、法的措置や報復関税をすでに検討している。
通商代表部は現在、製造業における過剰生産能力の訴えをめぐり、アメリカの輸入の大半を占める16カ国について調査している。これが年内の追加関税へとつながる可能性もある。