「シャンパンってあんなに勢いあるんだ」岩井千怜が米ツアー初優勝 今季最大タイ6打差独走で日本勢22人目の快挙
◇米国女子◇リビエラマヤオープン 最終日(25日)◇マヤコバ エル カマレオンコース (メキシコ)◇6583yd(パー72)
22歳の岩井千怜が米ツアー1年目で初優勝を飾った。通算6アンダー2位から出た最終日に7バーディ、1ボギーのフィールドベスト「66」で回って通算12アンダー。4週前のメジャー初戦「シェブロン選手権」を制した西郷真央に続き、日本勢22人目の米ツアー制覇を達成した。2位のジェニー・ベーとの6打差は今季ツアー11戦目(マッチプレーを除く)で2月「ブルーベイLPGA」を制した竹田麗央に並ぶ最大差の圧勝だった。
現地のインタビューには「I'm so happy!」など果敢に英語で対応。また18番グリーンサイドで待ち構えていた双子の姉の岩井明愛、勝みなみ、吉田優利らからシャンパンシャワーを浴びて「シャンパンってあんなに勢いあるんだと思いました。海外選手もいてくれて、うれしかったです」と笑顔。優勝の要因を「きのうもノーボギーで落ち着いて回れたことで、きょうも落ち着いてできました」。両親、姉の前での優勝に「すごくうれしいです。これからも家族、チームのみんなと頑張ります」と話した。
初の最終日最終組で1番は7mを沈めてバーディ発進。同組で首位スタートのベーがボギーをたたいたことで、いきなり首位に浮上した。
風もあって伸び悩む他の上位勢を横目に、3番からは怒涛(どとう)の4連続バーディを奪取。3番は95ydの2打目を54度のウェッジでピン1mに絡めて2個目のバーディ。4番は2.5mのチャンスを決めた。5番(パー5)は奥ピンまで残り240ydから2オン狙いでグリーン左奥ラフに運び、アプローチをOKの距離に寄せ、6番は4mを沈めた。前半「31」のチャージで後続との差を5打に広げてバックナインへ。後半も10番で6m、13番(パー5)で3mを決めて、後続を一時は8打差まで突き放して独走態勢を築いた。
昨年までは日本ツアーを主戦場として7勝し、今季はスポット参戦した開幕戦「ダイキンオーキッドレディス」で8勝目を挙げた。昨年12月の最終予選会を2位で通過し、明愛とともに今季から米ツアーに参戦。4月「JMイーグルLA選手権」の11位がベストフィニッシュで3週前の「ブラックデザート選手権」後に行われたリシャッフルを年間ポイントレース61位で通過し、今季8試合目を迎えていた。
日本では21年6月に明愛と一緒にプロテスト合格を果たし、同年のステップアップツアー「カストロールレディース」で初優勝、翌年の「NEC軽井沢72」でレギュラーツアー初制覇。その翌週の「CAT Ladies」も制してツアー初優勝から2週連続Vという史上3人目の快挙を達成。23年「RKB×三井松島レディス」では明愛、山下美夢有とのプレーオフを制してツアー3勝目を挙げるなど注目を集めた。
米ツアーでは今季2度の2位に入った明愛とは、ともにルーキー・オブ・ザ・イヤーを競う立場。米ツアーでともに優勝した姉妹は、アニカ(72勝)とシャーロッタ(1勝)のソレンスタム姉妹、モリヤ(3勝)とアリヤ(12勝)のジュタヌガン姉妹、ジェシカ(6勝)と現在の世界ランキング1位・ネリー(15勝)のコルダ姉妹の3組。千怜は国内下部、レギュラーに続いて米ツアーでも姉の明愛を引っ張るように先に優勝を飾った。今後の明愛の奮起は間違いない。ツインズでのさらなる飛躍に向け、29日開幕のメジャー第2戦「全米女子オープン」(ウィスコンシン州エリンヒルズ)に挑む。
勝みなみは「70」で3アンダー9位、明愛は「70」で2アンダー16位、吉田優利は「75」で9オーバー63位だった。
2025年 リビエラマヤオープン 最終日 岩井千怜 ハイライト
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