2軍で防御率6.75も…驚異の15戦連続「0.00」 コーチが21歳逸材に見た"決定的な違い"
■西武 6ー0 楽天(28日・ベルーナドーム)
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この日は5-0とリードして迎えた8回に登板。先頭の辰己涼介外野手に、高いバウンドの一塁内野安打を許す。いきなり無失点継続に暗雲が垂れこめたが、続く小深田大翔内野手は右飛。さらに中島大輔外野手は、外角の138キロのカットボールで空振り三振に仕留めた。そしてリーグトップの打率.331(28日現在、以下同)を誇る村林一輝内野手に対しても、カウント1-2から内角低めのシュートでバットに空を切らせ三振。143キロを計測したウイニングショットのシュートは、フォークのような落差で村林の足元へ沈んだ。
フォーク、カットボール、ツーシーム、シュートを駆使する山田だが、ストレートの最速は140キロ台中盤(この日のMAXは146キロ)止まり。150キロ超は珍しくなく、160キロ近い球速を叩き出す投手もいる最近のリリーバーの中では、決して速い方ではない。それでも、これほど抑えられるのはなぜか。
昨季はファームの投手総合コーチとして山田を指導していた大石達也1軍投手コーチは、「彼はリリースポイントが高い(真上に近い角度から投げ下ろす格好)。それにストレートが“真っスラ”系で、“カット成分”が高いというデータも出ています。非常に特殊なタイプで、相手打者がタイミングを取りにくい要因ではないかと思います」と分析する。
「(昨年11~12月に台湾で行われた)アジアウインターベースボールリーグに参加し、そこでシュートを習得したことも大きいと思います。得意の真っスラやカットボールとは逆の軌道の球なので、投球の幅が格段に広がりました」とも続ける。
昨季2軍でも防御率6.75→ウインターリーグでシュート覚え飛躍
確かに、昨季もイースタン・リーグでは13試合0勝3敗、防御率6.75でパッとしなかっただけに、その後のウインターリーグでシュートを覚えた意義は大きいと言えそうだ。
一方、こちらも昨季までファーム監督として手塩にかけて山田を育ててきた西口文也監督は「(昨季との一番との違いは)制球力ではないでしょうか。去年に比べると断然、ストライクゾーンの中で勝負できていると思います」と指摘する。
山田自身も「変化球でストライクを取れるようになったことが大きいと思います。相手打者が変化球をケアしなければならなくなった分、スピードはそれほどなかったとしても、真っすぐで差し込めるようになりました」とうなずく。
滋賀県出身で、故郷への愛は深い。今季からグラブの手のひらが当たる部分に青い糸で、滋賀県の象徴である琵琶湖の形の刺繍を施している。「この刺繍を入れたら1軍に来れたので、今後も続けます。滋賀のアピールにもなればいいな、と思います」。プレー中は見えない部分だが、故郷への思いを秘めて戦っているわけだ。
滋賀・近江高時代には3度甲子園に出場。ベスト4、準優勝、ベスト4の原動力となった姿は、高校野球ファンの脳裏に焼き付いている。あれから3年。山田はプロの世界でも、まばゆい輝きを放とうとしている。