トランプ減税・歳出法案、下院審議難航 共和党強硬派が支持保留

米議会下院は2日、前日に上院が可決したトランプ大統領の看板政策を盛り込んだ大規模な減税・歳出法案の審議を開始した。写真は同日、連邦議会議事堂で報道陣に対応するジョンソン下院議長(2025年 ロイター/Annabelle Gordon)

[ワシントン 2日 ロイター] - 米議会下院は2日、前日に上院がしたトランプ大統領の看板政策を盛り込んだ大規模な減税・歳出法案の審議を開始した。財政悪化に対する懸念から複数の強硬派の共和党議員が支持を保留しているため、審議は難航している。

この日は下院で非公開会議が繰り返される中、ジョンソン下院議長は反対派議員に支持するよう説得を継続。記者団に対し「本日採決を行う予定だ」とし「全員の懸念事項を整理し、確実に支持票を確保できるよう取り組んでいる。進展について極めて前向きに感じている」と語った。

下院では共和党が過半数を握っているものの僅差となっているため、ジョンソン議長は党内の造反を3人以下に抑える必要がある。

共和党の保守強硬派「フリーダム・コーカス(自由議連)」のアンディ・ハリス議員は記者団に「(議長は)私が法案に反対していることを知っている。現状のままでは可決できる票が集まっていないと私が考えていることも知っている」と発言。

下院共和党会議のリサ・マクレイン議長はロイターに、手続き上の採決を通じて下院本会議で2日夜に法案を採決にかける見通しだとし「10時か11時になるかもしれない」と述べた。

トランプ大統領は7月4日の独立記念日までに法案を成立させたい考えで、この日、ホワイトハウスで一部の反対派議員と協議を行った。ただ、共和党指導部は下院での審議手続きの採決を延期するなどの対応を迫られている。

米議会予算局(CBO)は同法案で財政赤字が向こう10年間で約3兆3000億ドル拡大すると試算。約1200万人が健康保険を失う可能性があるとの見積もりも示している。

民主党は、減税措置が富裕層に偏って恩恵をもたらす一方で、低・中所得層が頼りにしている行政サービスが削減されるとして、法案に一貫して反対している。

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