「大谷翔平にバックを」 高市首相「WBC始球式」で検討されていた幻のシナリオ 背番号には複数プランが
「官邸は東京ドームで行われた侍ジャパン2戦目・韓国戦の始球式に高市氏が参加する方向で調整していました。本人の思い入れが強かったと聞いていますが、アメリカとイスラエルによるイランへの軍事作戦が展開され、日本も少なからず影響を受けている中で参加は得策ではないと判断しました」(同) 軍事作戦の一報が入ったものの石川県知事選の応援で高市氏が現地入りしたことが批判を受けていることも、始球式参加を踏みとどまらせた要因のひとつのようだ。 「韓国戦の直前まで参加するか否か検討をしていました。参加はデメリットの方が大きいと見たのでしょう。賢明な判断だと思います」(同)
参加に並々ならぬ意欲を見せていた高市氏。水面下ではどんなシミュレーションが行われていたのだろうか。 「ご存じのように高市氏は持病の関節リウマチのせいで右手に黒いサポーターをつけています。先の衆院選中にNHKの『日曜討論』を欠席した理由は“遊説中の握手で右手を痛めた”というものでした。選挙戦から1ヵ月が経過していますが、その右手でボールを投げてしまうと批判が出かねないと当初から官邸は見ていました」(同) 投げない代わりにバッターボックスに立つ案が浮上していた。 「単に立つだけではなく自身の背後に大谷翔平選手に立って見守ってもらうというアイディアもあったようです。高市氏本人はノリノリというかとても前向きで、セレモニーというよりはむしろ政策実現の場面のひとつと捉えているフシもありました」(同) バットを持つのも片手というわけにはいかなかいが、右手は添えるだけで事足りるので投球より負担や批判を抑えられるとの算段だったのだろうか――。
2013年、長嶋茂雄氏と松井秀喜氏の師弟コンビに国民栄誉賞が贈られた。その後、5月5日に東京ドームで開かれた表彰式に当時の安倍晋三首相は参加し、始球式で松井氏が投手、長島氏が打者、そして安倍氏は球審役として巨人軍のユニフォームを身に着け、大役を務めた。 「安倍氏の背番号は『96』で、表向きには第96代首相にちなんだとしていましたが、一方で憲法96条を想起させる、改憲へのアピールではないかと話題になりました」(同) 96条は、「憲法の改正のためには衆参各議院の総議員の3分の2以上の賛成で国会が発議し、その後の国民投票で過半数の賛成を得て承認されること」を要件としている。 「安倍氏のひそみにならって背番号でのアピールやアピールまがいも検討されていました」(同) 高市氏は第105代首相だから「105」は候補のひとつだった。
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「その他、早苗からイメージされる『37A』などが想定されました。が、『サナエトークン』騒動が露見したこともあって“サナエというワードが悪目立ちしない方が良いのでは”との意見が出て、さらに別の背番号候補も検討されたと聞いています」(同) ちなみに憲法に105条は存在せず、37条は刑事事件における被告人の人権を保障する条文になる。過去の政権を見ても、アスリートをプロパガンダに利用しようとした場合、批判にさらされるケースは珍しくない。また、高市氏は東日本大震災の追悼式に関して「諸般の事情が許せば出席」するという投稿の文言が一部で批判を浴びている。下手に始球式に出席すれば「そっちは諸般の事情が許したんですね」等、揶揄されることは必至だった。 結果として「見送り」は賢明な判断だったと言えそうだ。 デイリー新潮編集部
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