広島の黄金ルーキー佐々木株天井知らず?左翼への痛烈ヒットに「ホームラン打者の打球」と安仁屋宗八氏
「広島3-0DeNA」(25日、マツダスタジアム)
広島のルーキー佐々木泰内野手(22)が自らの株をまた上げた。三回に痛烈な左前打を放って先制点のお膳立てをすれば、守っても5度の三ゴロを無難に処理する活躍ぶり。デイリースポーツ評論家の安仁屋宗八氏は「打球の速さにホームランバッターの素質を感じる。守備もいい」と絶賛した。
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(試合は先発した広島・床田が9回を5安打無四球。今季3度目の完封で5勝目を挙げた)
床田に関しては言うことなし。七回のピンチを乗り切ってもまだ余力が残っていたからね。安心して見てはいたが、完封までしたのだから立派だった。さすがカープでスタミナ一番の男だけのことはある。
初回はいきなり先頭の桑原にレフトへ打たれたが、牧を併殺に仕留めた。四回も先頭で同じ桑原に打たれながらも再び牧を併殺。この2つは大きかったね。
三回の先取点も乗っていける材料になった。その3点攻撃の口火を切ったのは佐々木だったが、いつもの思い切りのいいスイングでレフト前ヒット。
それにしても痛烈だったね。いつも“マン振り”するから芯で捉えると打球が速い。これを見ると、やっぱりホームランバッターとしての素質を感じる。そしてこのヒットを突破口にして先制のホームを踏んだ。下位打線からとてもいい流れを作った。
(三回はその後、二死二、三塁からファビアンの三塁線を破る二塁打と坂倉の左中間二塁打で3点を先取し、試合の主導権を握った)
佐々木は5月20日の登録以来、ずっと先発で起用されている。これでいいと思う。この試合は7番ではなく8番で起用され、ヒットは1本“だけ”だったが、彼は意外に守備もいいからね。
唯一のピンチとなった七回無死一、三塁では、オースティンの際どい三塁線のゴロをさばいて三塁走者の生還を防いだ。送球が走者と重なる難しい場面だったが、落ち着いて投げていた。
二死一、二塁と局面が変わったあとのボテボテの三ゴロも、素早い動きと地肩の強さで無失点をアシストした。
佐々木はこの試合、合計5度、ゴロを処理したが、送球のコントロールもよかった。攻守に光るものを見せていた。
この日は相手先発だった「東対策」なのか、ショートは打率の上がらない矢野(・190)に替えて小園を使っていた。
小園7番、佐々木8番の下位打線。こういう形でもいいと思うね。とにかく佐々木は使っていったほうがいい。