ついに本領発揮の2ゴール! 感謝の川崎Fロマニッチ「蹴りたいとお願いして、彼もいいよと言ってくれた」
チームメートの祝福を受けるFWラザル・ロマニッチ(写真中央)
[9.28 J1第32節 川崎F 4-4 柏 U等々力]
セルビアからこの夏やってきた川崎フロンターレの新エース候補が、ついに本領発揮した。FWラザル・ロマニッチは柏との上位対決に1トップで先発出場し、前半7分に「自信しかなかった」というPKを沈めて来日初ゴール。さらにその後は柏守備陣を相手にポストプレーで存在感を見せると、交代直前の後半34分には左からのクロスに合わせて勝ち越しゴールも奪い、1試合2得点を記録した。
立ち上がりのPKはファウルを受けたMF伊藤達哉から譲られたものだった。「おそらく伊藤達哉選手がボールを持っていたと思うけど『自分で蹴りたい』とお願いして、彼もいいよと言ってくれた。自分の中でもゴールを決めることが良いプレーへのきっかけになると思っていた。ゴールできたことが嬉しいし、達哉に感謝したい」。ゴールを量産するドリブラーからの手助けを受け、加入4試合目で点取り屋としてのデビューを果たした。 その後はDF古賀太陽を背負いながらのポストプレーで攻撃を牽引しつつ、「前からプレスに行くことは監督からの要求でもあったので、しっかりやっていかないといけない自覚があった」というファーストプレスでも奮闘。ビルドアップの起点を担うGK小島亨介まで追いかける場面もたびたび見せ、助っ人にとっては苦労しがちな守備戦術にも一定の順応を見せていた。 そして最後は後半34分、来日最長のプレータイムということで「非常に疲れていた時間帯で、自分のプレーが100%できるかどうかという状態だった」というなか、左サイドを攻め上がったDF三浦颯太からのクロスに飛び込んで行った。 「彼が走ってくるところが見えて、その瞬間に自分がいいポジションを取ろうと心がけていた。結果的にボールが目の前に流れてきたので、最後は合わせるだけという形で決めることができて良かった」。先制と勝ち越しの1試合2ゴールという鮮烈なインパクトを残し、そのまま交代していった。 それでもチームは後半45分にスーパーゴールで失点。4-4の引き分けに終わり、ロマニッチのゴールは勝利にはつながらなかった。期待がかかる27歳は「ゴールできたことはすごく嬉しかったけど、チームが勝利できなかったことは悔やまれる」と心境を口にしつつ、「ただ、いま自分にできるのは次の試合に向けて準備をすることだけ。引き続きしっかり進めていきたい」と次の試合を見据えていた。 (取材・文 竹内達也)●2025シーズンJリーグ特集▶話題沸騰!『ヤーレンズの一生ボケても怒られないサッカーの話』好評配信中