NY外為市場=ドル上昇、146円台後半 地合回復短命との見方も
ニューヨーク外為市場ではドルがユーロ、円、スイスフランなどの主要通貨のほか、豪ドルなどの資源国通貨に対しても上昇した。ドルは先週1日の下落から地合いを取り戻したものの、米政権の政策の先行き不透明性に加え、米経済にほころびが見え始めていることを踏まえると、回復は長続きしない可能性があるとの見方も出ている。(2025年 ロイター/Lee Jae-Won)
[ニューヨーク 4日 ロイター] - ニューヨーク外為市場ではドルがユーロ、円、スイスフランなどの主要通貨のほか、豪ドルなどの資源国通貨に対しても上昇した。ドルは先週1日の下落から地合いを取り戻したものの、米政権の政策の先行き不透明性に加え、米経済にほころびが見え始めていることを踏まえると、回復は長続きしない可能性があるとの見方も出ている。
先週1日は、7月の米雇用統計が予想を下回ったことに加え、トランプ米大統領が雇用統計が予想を下回る結果になったことを受け労働省労働統計局(BLS)のエリカ・マッケンターファー局長の解任を命じたこのほか、米連邦準備理事会(FRB)がクグラー理事が任期満了を待たずに8日付で退任すると発表したことが重石になり、ドルは下落。
マネックスUSA(ワシントン)のトレーディング部門ディレクター、フアン・ペレス氏は「米国の産業は全体的に減速しているようだ」とし、「経済指標を踏まえると、米連邦準備理事会(FRB)が利下げを実施し景気を支援すると示唆されているものの、楽観論が必ずしも広まっているとはいえない」と述べた。
ただこの日の取引ではドルは上昇。終盤の取引でドル/円は0.3%高の146.945円。ユーロ/ドルは0.1%安の1.1576ドル。
主要通貨に対するドル指数 は0.1%高の98.77。1日の取引では1.3%を超えて下落していた。
コーペイ(トロント)のチーフ市場ストラテジスト、カール・シャモッタ氏は「7月のドルの反発は先週はとん挫したが、今のところは米資産を保有することのリスクプレミアムが大幅に上昇する気配はない」と指摘。米労働市場の減速を巡る懸念、トランプ政権が掲げる関税措置の影響、(労働省労働統計局などの)統計機関の独立性に対する脅威、FRB次期議長がインフレ押し上げるにつながるハト派的な金融政策運営を行う可能性などの要因が、好調な企業業績で相殺されているとの見方を示した。
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