渥美清さん、留守電に「お前幸せか」…寅さんの妹さくら演じた倍賞千恵子さんが思い出語る
北の大地で数多くの映画に出演した俳優倍賞千恵子さん(83)のトークショー「わたしと映画と北海道」が10日、札幌市内で開かれた。倍賞さんは共演した俳優のエピソードや北海道への熱い思いを語った。
会場に向かって手を振る倍賞さん(10日、札幌市中央区で)倍賞さんは山田洋次監督(93)の「男はつらいよ」シリーズ全50作出演で有名だが、山田監督が撮った「家族」(1970年)、「 同胞(はらから) 」(75年)、「幸福の黄色いハンカチ」(77年)、「 遙(はる) かなる山の呼び声」(80年)など、道内がロケ地の映画にも数多く出演した。別荘がある別海町の観光大使も務めている。
トークショーは「札幌映画サークル」などの主催で「幸福の黄色いハンカチ」の上映後に開催した。同映画で共演した高倉健さんが高そうな腕時計をコップの水にどぼんと入れたので倍賞さんがビックリすると、健さんが「防水ですよ」と笑って、緊張が一気に解けて撮影できたと語った。
「男はつらいよ」で共演した渥美清さんには額をぐりぐりなでてもらったり、「お前幸せか」と留守電が入っていたりしたことを紹介。渥美さんが他界した時は「厚い鉄のカーテンがどさっと落ちたようでショックだった」と振り返った。
北海道については「困ったことがあると北海道の人は親兄弟のように心配してくれる。夏の夜に大地に寝そべり流れ星を数えたこともあるし、冬の雪も大好きです」と熱い思いを語った。
11月には山田監督のメガホン、木村拓哉さん共演で主演する「TOKYOタクシー」が公開される。倍賞さんは「体と声が続く限り歌って演じ続けたい」と抱負を語り、約600人の聴衆から拍手を浴びていた。