釧路湿原周辺メガソーラー施設 「是正措置を指導」 違法に開発した一部区域の工事中止を道が事業者に勧告
釧路湿原周辺で建設が進むメガソーラー施設について、道から許可を得ずに開発する森林法違反があったとして道は事業者に対し工事の一部中止を勧告しました。 大阪に本社を置く日本エコロジーは釧路湿原周辺の4.3ヘクタールの土地におよそ6600枚のパネルを設置するメガソーラー施設を建設しています。 森林法では太陽光発電施設の建設で0・5ヘクタールを超える森林を開発する場合には道からの許可が必要と定められています。 しかし、先週、道と釧路市が現地調査を行ったところ、日本エコロジーが許可を申請せずに0.8ヘクタールあまりの開発を行っていたことが分かりました。 道は、2日に行われた水産林務委員会で日本エコロジーに対し、違法に開発した区域での工事中止を勧告したことを報告しました。 ■道の担当者「従わない場合は中止命令を発出するなど、厳正に対処するとともに、事業者が事業を継続または中止する場合、いずれの場合においても、森林の公益的機能を阻害することがないように、必要な防災施設の設置や原状回復の指導など、適法な状態となるように必要な是正措置を指導していく」 釧路市などは国に対し、メガソーラー建設の法整備を求めています。浅尾環境大臣は。 ■浅尾環境大臣「地域の意見を関係省庁に共有し、国としてしっかりとしたことをできるように、どのようなことができるか検討していきたい」 日本エコロジーは、HTBの取材に対し、「違反している部分については中止の勧告に従う。それ以外の区域については違反していないので、事業そのものを取りやめる予定はない」としています。 問題点を整理していきます。 この森林法では、森林の機能維持などのために森林区域というものを設定して、そこでの開発行為を制限しています。 太陽光発電設備のための開発は0.5ヘクタールを超えるものに関しては都道府県知事の許可が必要と定められています。今回問題となっている現場、地図で見てみましょう。色が2色に分かれています。まずこの緑色の部分が法で定められた森林区域です。赤枠で囲われたところが事業者が実際に開発を行っている区域、ここ全体で4.3ヘクタールあるということなんです。この事業区域の中の森林区域、赤枠の中の緑色の部分が0.5ヘクタール以上かどうかで知事に許可を得るかどうかが変わってくるわけなんです。これまでの開発、整理していきますと、6月すでに日本エコロジー、工事を始めました。 そして先月29日、釧路市と道が現地を確認したところ、0.86ヘクタールの開発が行われていたことが分かりました。0.5ヘクタールを超えていますので、本来であれば申請をして許可を得なければならないんですが、申請をせずに森林区域で0.86ヘクタールの開発があったとして2日、道は口頭で事業者に工事の中止を勧告したというものです。 日本エコロジーは、「違反部分は中止の勧告に従う。その他は違反していないので事業そのものをとりやめる予定はない」とコメントしています。
HTB北海道ニュース