為替介入「なし」、財務省が公表 円急騰はレートチェック要因か
- 記事を印刷する
- メールで送る
- リンクをコピーする
- note
- X(旧Twitter)
- はてなブックマーク
- Bluesky
財務省は30日、2025年12月29日〜26年1月28日に政府・日銀による為替介入はなかったと発表した。外国為替市場で23日以降、対ドルの円相場が数回にわたって急騰したのは介入の準備段階とされるレートチェックが要因の可能性が高まった。
財務省は毎月末、直近1カ月の介入実績の総額を公表している。
23日は日銀の植田和男総裁が記者会見で利上げに慎重姿勢を示したとの受け止めが広がり、一時1ドル=159円台前半まで下落した。その直後に急激な円高に転じた。同日のニューヨーク市場では米財務省の指示で米連邦準備理事会(FRB)がレートチェックをしたと伝わり、さらに円高が加速した。
日米当局が協調して円安抑止に動いたとの見方から、週末を挟んだ27日には1ドル=152円台前半まで上昇し、23日からの上昇幅は約7円に達した。
三井住友銀行の宇野大介チーフストラテジストは「大きな値幅を持った動きが数回あったのは事実だ。市場の疑心暗鬼を招き、円高の動きが大きくなった」と指摘する。あおぞら銀行の諸我晃チーフ・マーケット・ストラテジストは「米国が積極的に支援するような姿勢が見えたことで投機筋は円売りを仕掛けにくくなった」と話す。
米国にも円安抑止に協調する動機はあった。円安による日本の物価上昇圧力が金利上昇につながり、米国をはじめ世界の金利に波及する状況を警戒してきたからだ。
ベッセント米財務長官は20日、スイス東部ダボスでのインタビューで日本の金利上昇が「6シグマの変動」と呼ばれる統計的にまれな規模だったと解説した。日本の当局と話し合っているとまで明かしていた。
市場の反応は敏感で、ドル安が急速に進んだ。海外投資家によるドル資産離れにつながる懸念も出てきた。
かねて円安是正を主張してきたベッセント氏もドル売りに走る市場を無視できなくなる。28日、米CNBCで「(対円での)為替介入はしていない」「米国は常に『強いドル』政策をとってきた」とけん制し、沈静化を図った。
伊藤忠総研の武田淳チーフエコノミストは「トランプ氏がドル安を容認する発言をしたことでドル売りの動きが大きくなった。ノーコメントでは済ませられなかった」とみる。
日本の三村淳財務官は26日午前、レートチェックの有無や協調介入の可能性について「答えるつもりはない」と明言を避け続けた。片山さつき財務相や三村氏は「米当局と緊密に連携しながら適切に対応していきたい」とも繰り返した。
「緊密に連携」の文言は25年9月に公表した日米財務相共同声明を踏まえたものだ。声明は無秩序な円安を是正するための円買い・ドル売り介入を『適切』と認めている。日米協調介入の可能性がちらつき、市場では円買いの動きが加速した。
前財務官、神田真人氏との戦略の違いも際立つ。神田氏は3年間の任期中に24兆5114億円もの円買いに踏み切り、22年9月22日の介入時には「断固たる措置をとった」と公然と認めたこともある。
三村氏は通貨政策に関し「言わないコミュニケーションも重要だ」と語ってきた。場合によっては介入の有無を公表せず、市場の心理を揺さぶる方が投機筋の動きを封じ込めるとみる。
財務省幹部は「実際に使った弾薬の数よりどれだけ効果があったかを重視している」と説明する。
- 記事を印刷する
- メールで送る
- リンクをコピーする
- note
- X(旧Twitter)
- はてなブックマーク
- Bluesky
こちらもおすすめ(自動検索)
操作を実行できませんでした。時間を空けて再度お試しください。
権限不足のため、フォローできません
日本経済新聞の編集者が選んだ押さえておきたい「ニュース5本」をお届けします。(週5回配信)
ご登録いただいたメールアドレス宛てにニュースレターの配信と日経電子版のキャンペーン情報などをお送りします(登録後の配信解除も可能です)。これらメール配信の目的に限りメールアドレスを利用します。日経IDなどその他のサービスに自動で登録されることはありません。
入力いただいたメールアドレスにメールを送付しました。メールのリンクをクリックすると記事全文をお読みいただけます。
ニュースレターの登録に失敗しました。ご覧頂いている記事は、対象外になっています。
入力いただきましたメールアドレスは既に登録済みとなっております。ニュースレターの配信をお待ち下さい。