資産2億2400万円・配当1カ月52万円の会社員なのなの氏が「一生持つ高配当株+今後買う株」【NISA応援】

個人投資家のなのなのさん〈X▶@nano_nano2001〉(イラスト・本人提供) この記事の写真をすべて見る

 株で大成功の個人投資家「なのなの」さんに銘柄の選び方、一生持ち続けたい配当株、今後買いたい株を聞いた。会社員でありながら高配当株にこだわった投資で資産は2億2400万円。受け取る配当は1カ月平均52万円という。【本記事はアエラ増刊「AERA Money 2025冬号」から抜粋しています】

【ついに公開】「配当は月52万円」2億円会社員が「一生持つ配当株」「今後買う株」はコレ!(一覧表2点)

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 数百万円の資金で投資をはじめ、大胆にリスクを取りながら10億円クラスに伸ばす天才投資家がいる。

 なのなのさんは、そんな投資家とは違い「まねしたら、私もできるかも」と思わせてくれる。夢のある会社員兼個人投資家である。

 働きながらせっせと証券口座に入金(総額7500万円)。現在の資産は2億2400万円(2025年9月現在)だ。今も会社員として働きながら、持ち前のデータ分析力を駆使して資産増殖中。

 中学生の頃に株式投資のシミュレーションゲームにはまった。はじめて株を買ったのは大学1年生のとき。2000年1月に「マネー誌に紹介されていた」という理由だけで商船三井を買った。当初は失敗ばかりしていたという。

 2008年頃に「投資対象を配当利回り4%以上の企業に絞る」と決めて以来、利益が出るようになってきた。直近10年の資産増加率はおよそ19%(年平均)。

 前述の資産2億2400億円の内訳は日本株53%、米国株31%、日本のREIT(不動産投資信託)9%、預金3%、その他。保有の高配当株は390銘柄。

投資手法を「実験」

 なのなのさんは自分に合った投資法を見つけるため、複数の証券会社に口座を開設した。

 1つ目の口座では配当利回り4%以上の高配当株だけを買った。

 別の証券会社では雑誌やネット掲示板などで話題の人気株、配当利回りは低いが割安感のあるバリュー株のみを買った。

 運用成績を比べると、高配当株の口座の成績がよかった。この「実験」により、自分に合う投資法はこっちだと確信したようだ。

 高配当株への投資が有利だと証明するためのデータ収集もがんばった。TOPIX(東証株価指数)の動きにどれぐらい敏感に反応するかを示す「β(ベータ)値」を配当利回りの水準ごとに検証。

 配当利回り4%以上の場合、対TOPIXのβ値が0.78と最も低く、相場が急変動してもツレ安しにくい安定性を確認した。

 日本株、米国株の配当利回りごとの年間値上がり率も調べ上げた。

SBI証券投資情報部部長(上席)の土居雅紹さん(本記事最後に、この方の投資の仕方についてコメントを掲載しています)

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 これぞという高配当株に集中投資するのではなく、400近い銘柄に分散投資。配当利回りが市場平均(2.5%程度)を下回ったら売却するという「鉄の掟(おきて)」を守っている。

 賢い人はピンとくるだろうが、なのなのさんの保有株の利回りが低下するのは、分子の配当が減ったから(減配)ではなく、分母の株価が値上がりしたケースが圧倒的に多い。

 つまり「配当利回りが2.5%以下になったら」というのは、なのなのさんの利益確定ルールなのである。

 高配当株を買うときのチェックポイントを聞くと、「売上高や利益が右肩上がりであること、少なくとも利益のブレが小さいこと」が一番の決め手だと答えてくれた。

 10年ぐらいの長期で過去の推移を見る。多少、売り上げや営業利益が減っている時期があってもおおむね右肩上がりならOK。

「とはいえ、売上高や利益が横ばいの企業は値上がり益を期待しづらいと思います。景気の波に応じて黒字と赤字を繰り返すような景気敏感株も心配。今は業績好調でも、次の景気悪化時に低迷する可能性が高いからです」

高配当で株価も10倍

 なのなのさんが目をつけるのは、高成長かつ高配当の銘柄だ。そんな「二兎(にと)追い」って可能なのか?

 たとえば2019年10月に高配当利回りに着目して買った野村マイクロ・サイエンス。半導体向けの超純水装置メーカーだ。

 この銘柄は半導体関連全体の急成長もあり、約3年8カ月でテンバガー(株価10倍高)に。選択眼もすごいが、10倍になるまで持ち続けた精神力もすごい。

 自身の著書には「スクリーニングツールに配当利回り3%以上かつ過去5年の営業利益成長率平均10%以上などの条件を入れて銘柄を探せば、配当を出しながら高成長率を維持している企業が見つかる。キャピタルゲインとインカムゲインの両方を得ることは十分可能」という内容が書かれていた。

 なのなのさんの「一生持ち続ける配当株」ベスト10を教えてもらった(本ページ上に掲載)。

 まず損保会社のMS&ADインシュアランスグループホールディングス。2025年9月22日現在(以下同)の配当利回りは4.55%だが、なのなのさんの買値(平均取得単価)に対する「自分利回り」は14.92%とお宝である。

 次は携帯電話のソフトバンクで、カラオケの第一興商と続く。ほかには大型優良株に、時折小型株が混ざる(ゼロなど)。

楽天証券証券トウシル&メディア編集部長の武田成央さん(本記事最後に、この方の投資の仕方についてコメントを掲載しています)

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 なのなのさんが「今後買いたい株」のベスト10も上の表にまとめた。家賃滞納保証などを手がけるイントラスト(配当利回り3.17%)や三信電気(4.93%)など。

 新NISAのつみたて投資枠では、為替見通しが不透明な中、これ以上ドルベースの資産を増やしたくないという理由で、「iFree 外国株式インデックス(為替ヘッジあり)」を毎月約10万円ずつつみたてていた。

 為替ヘッジありとは珍しい。

 何事もポリシーを持って投資する人なのである。

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★個人投資家応援・プロの視点(1)

 高配当株に関する知見の深さ、調べるデータの量に驚きました。高成長と高い配当利回りを両立している企業は少ないですが、そんな難易度の高い銘柄選びに立ち向かい、成功していらっしゃる。

 しかも会社員を続けながら。働く人の星です。

SBI証券投資情報部部長〈上席〉土居雅紹)

※紙媒体「AERA Money 2025冬号」の同記事に掲載されたコメントをそのまま転載しています

★個人投資家応援・プロの視点(2)

 利回り目的の高配当株で株価の成長も重視する姿勢に共感します。現時点での配当利回りではなく、保有期間の値上がりを加味した収益率がスゴイことに羨望(せんぼう)。

 割安か成長かのどちらかではなく、両方を狙うスタイルは株式投資の理想形では?

楽天証券 トウシル&メディア編集部長 武田成央)

※紙媒体「AERA Money 2025冬号」の同記事に掲載されたコメントをそのまま転載しています

取材・文/中島晶子(AERA編集部)、安住拓哉

なのなの/個人投資家。著書『月41万円の“不労所得”をもらう億リーマンが教える「爆配当」株投資』(KADOKAWA)。X▶@nano_nano2001

土居雅紹(どい・まさつぐ)/SBI証券 投資情報部 部長(上席)。ゴールドマン・サックス、旧大蔵省財政金融研究所などで活躍。MBA(経営学修士)ホルダー。2025年4月より現職

武田成央(たけだ・さだちか)/楽天証券 トウシル&メディア編集部長。出版社のマネー誌編集者を経て投資情報メディア『トウシル』編集長。トウシルのYouTubeは登録者数40万人突破

この記事の完全版が読めるAERA増刊「AERA Money 2025冬号」が好評発売中です! Amazonや楽天ブックスなどのネット書店では「アエラマネー」で検索して、この表紙を探してみてください!(編集部より)

編集/綾小路麗香、伊藤忍

『AERA Money 2025冬号』から抜粋

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ニュース週刊誌「AERA」編集者。「AERA」とアエラ増刊「AERA Money」の編集担当。投資信託、株、外貨、住宅ローン、保険、税金などの経済関連記事を20年以上編集。NISA、iDeCoは制度開始当初から取材。月刊マネー誌編集部を経て現職
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出版社勤務を経て2021年に独立。経済関連記事全般が得意。取材・執筆歴20年以上。雑誌の取材記事の他、単行本のライティングも数多く手掛ける。
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