日銀1.0%利上げは「通過点に過ぎない」エコノミストが指摘「2028年頃までには、少なくとも1.5%程度に」(文春オンライン)
日本銀行の利上げに伴い、政策金利が31年ぶりの高水準に引き上げられる。 「家計にはどんな影響が?」 【写真】この記事の写真を見る(2枚) 「今の住宅ローンはどうなるの?」 「新たにローンを組むなら変動型? 固定型?」 誰もが気になる疑問を、専門家に尋ねると――。 6月16日、日銀は金融政策決定会合で、政策金利の引き上げを決めた。 「中東情勢に伴う原油高や円安を受け、インフレ抑制のため利上げに踏み切った形です。政策金利は0.75%から1.0%へと引き上げられました。利上げは景気に対してマイナスに働く一方で、物価高や円安を抑える効果が期待されます」(経済部記者) 高市早苗首相は2024年の総裁選で「金利をいま上げるのはアホやと思う」と発言するなど、利上げに慎重な姿勢を示してきたが、 「ベッセント米財務長官が日本側に利上げを促したのも一因となり、高市政権内でも静観ムードが広がった」(前出・記者) みずほ総合研究所チーフ日本経済エコノミストの服部直樹氏はこう分析する。 「物価上昇リスクは引き続き高く、1%は通過点に過ぎません。28年頃までには、政策金利は少なくとも1.5%程度に達すると考えています」 利上げが続くと、私たちの家計にはどんな影響が生じるのか。
「預貯金の利子収入が増加するなど、家計全体を見ると年間プラス1兆円の経済効果が見込まれます。特に、金融資産の多い高齢世帯や富裕層は恩恵を受けやすい。他方で、住宅ローンの負債を抱える若年世帯にはマイナスに働きます」(同前) 住宅ローンには、大きく分けて2種類ある。 「長期金利に連動し、契約実行時の金利が完済まで変わらない『固定金利型』と、政策金利に連動して金利が上下する『変動金利型』です。利上げの影響を直接受けるのは、いま現在、変動型でローンを組んでいる利用者です」(前出・記者) みずほ総研の試算では、返済期間35年の変動型ローンで4000万円を借りるケースを想定。政策金利が0.25%上がった場合、金利変化のない条件と比べて、総返済額が191万円増える結果となった。 「異次元緩和で“超低金利時代”が続いたため、近年の利用者の約8割は変動型でローンを組んでおり、利上げの弊害を直接被ることになる。金融緩和で生じたひずみが顕在化し、現役世代を直撃しているのです」(服部氏) つまり、これまでは大半の人が割安な変動型ローンを“一択”かのように選んできたわけだが、今回の利上げ局面で、そのリスクが見えてきたのだ。 そこで――今回考えたいのは、これから住宅ローンを組む場合だ。これまで通り変動型でいいのか、あるいは固定型のメリットが急浮上するのか。比べていこう。 《この続きでは、専門家たちの意見、専門家が分析する「固定有利」に転じるシナリオ、収入別に見た最適なローンの選び方などを取り上げている。記事の全文は現在配信中の「 週刊文春 電子版 」および6月25日発売の「週刊文春」で読むことができる》
「週刊文春」編集部/週刊文春 2026年7月2日号