「年間女王を目指したい」 佐久間朱莉が“竹田ルート”で描くドリームロード
◇国内女子◇ブリヂストンレディスオープン 最終日(25日)◇中京ゴルフ倶楽部 石野コース(愛知県)◇6642yd(パー72)◇曇り(観衆3988人)
惜敗を繰り返した末に、ようやく遂げた初優勝から4試合目。佐久間朱莉が初日から首位を守り切ってシーズン2勝一番乗りを果たし、「早く2勝目ができて良かった」と充実感に浸った。通算20アンダーは2023年に山下美夢有が記録したトーナメントレコードを2打更新。2022年に4日間競技に移行してから大会初の完全優勝だ。
荒木優奈と首位で並んでスタートした1番で2打目をグリーン右奥ラフに外したが、いきなりのピンチから一転、優勝争いを左右する一打を決めた。やや強く入ったウェッジショットが、13yd先のピンに“ガシャン”と当たるチップインバーディ。「“強い! 段を下って行っちゃうよ…”と思ったので本当にラッキー。2打、得をした気分でした」という派手な滑り出し。対して、荒木は3パットのボギー。2打のリードを築いた。
以降は、好調なショットでバーディを重ねた。6番アイアンを握った4番(パー3)ではピン手前20cmへ、エース寸前のスーパーショット。6番(パー5)でも3打目をピン右1.5mにつけ、サンデーバックナインを前に目標だった通算20アンダーに到達した。
先週の「Sky RKBレディス」は最終日に3打差逆転ができず6位。V逸はもちろん、優勝すれば「全米女子オープン」(ウィスコンシン州エリンヒルズ)の出場資格『5月19日時点の世界ランキング75位以内』に滑り込めただけに悔し涙を流した。
優勝が1週前なら…と思わないこともないが、「しょうがないけれど、全英への道もちょっと開けた」と切り替えられる勝利にもなった。300ptを加算して年間ポイントランキングは3位から1位に浮上。3週後の「サントリーレディス」終了時点でランク上位3人に入れば、昨年に続いて8月のメジャー最終戦「AIG女子オープン(全英女子)」(ウェールズ・ロイヤルポースコール)の出場が決まる。
今後は国内メジャー優勝に加えて、大きな目標への意識も強く芽生えた。「あえて口にしなかったと言ってはアレなんですけど、この位置までこられたので年間女王を目指したい」と明言。奇遇にも「KTT杯バンテリンレディス」で初V、本大会でも優勝という流れは、昨季に女王となった竹田麗央とほぼ同じルートだ(竹田は今季中止の「フジサンケイレディス」で2勝目)。「去年の麗央ちゃんみたく“ポン、ポン”って国内で勝てたらいいなと思います」。昨季8勝を重ねた竹田のようにツアーの主役に躍り出た22歳が“ドリームロード”を突き進む。(愛知県豊田市/塚田達也)