プーチン氏、ロシアの優位な立場を確信-トランプ氏との電話会談控え

ロシアのプーチン大統領は、19日に予定されているトランプ米大統領との電話会談を前に、自身が優位な立場にあると確信している。こうした中、欧州の指導者らは、トランプ氏が拙速な和平合意を進めることを阻止しようとしている。

  プーチン氏に近しい関係者の1人が非公開情報だとして匿名を条件に語ったところによると、同氏は年末までにウクライナの防衛戦を突破し、ロシアが領有を主張する4地域を完全に掌握できると自信を示している。

  そのため、トランプ氏との会談で譲歩案を提示し有意義な結果をもたらす可能性は低く、欧州当局者はトランプ氏が和平合意を強引に進めるかもしれないと懸念している。

  トランプ氏は、4年目に突入した戦争の早期終結を目指し、プーチン氏との直接対話で合意を引き出すことに意欲を示している。しかし、プーチン氏は戦闘を継続する姿勢を崩しておらず、ウクライナや欧州各国は、ウクライナがさらなる領土を失う可能性への懸念を高めている。

  カーネギー国際平和財団の上級研究員、マイケル・コフマン氏は18日、エストニアのタリンで開催された会議で「残念ながら、現在の戦況では、ロシアが停戦に応じる強い動機は見当たらない」と述べた。

  米国の停戦実現への取り組みが正念場を迎える中、欧州当局者は、トランプ氏がロシアへの圧力を強めるのか、それとも失敗した場合に次の課題へと移行するのかを見極めようとしている。トランプ氏は、プーチン氏との会談後、ウクライナのゼレンスキー大統領や一部の北大西洋条約機構(NATO)同盟国に説明を行う予定だ。

  ロシア大統領府(クレムリン)に近い関係者2人によると、プーチン氏は、目標達成のためなら長期戦も辞さない構えで、米国による追加制裁の可能性についても楽観的だという。

  クレムリンと密接な関係を持つ政治コンサルタント、セルゲイ・マルコフ氏は「トランプ氏はプーチン氏に停戦を求めているが、プーチン氏は全く応じるつもりがない。一方で、プーチン氏は交渉決裂も望んでおらず、軍事攻勢と並行して交渉を継続させようとしている」と語った。

  また、戦略情報会社プリズムのシニアアナリスト、ボタ・イリヤス氏は「プーチン氏は、ウクライナに最大限の要求を突きつけても、トランプ政権から深刻な反発を受けていないことで強気になっている」とし、「プーチン氏はトランプ氏を信用していないが、停戦に関するロシアのビジョンに同調させようとするだろう」との見方を示した。

原題:Putin Heads Into Trump Call Confident That Russia Has Upper Hand(抜粋)

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