【欧州市況】英財務相進退巡り長期債売られる-M&A相次ぎ株は上昇
2日の欧州債券市場は、英国債が主導する形で国債価格が下落し、イールドカーブがベア・スティープ化した。市場の注目が英国の財政政策に集まる中、スターマー英首相が議会で、次回総選挙までにリーブス氏が財務相に留まるか明言を避けたことをきっかけに、英国債売りが突如加速した。
英30年債の利回りは、一時22ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇して5.45%に達し、その後5.42%前後で取引を終えた。
市場では、リーブス氏が退任すれば、同氏が設定した財政規律を後任の財務相が厳格に守らず、政府借り入れの拡大に踏み切る可能性があるとの見方が広がっている。首相報道官はその後、リーブス氏への支持を表明したが、市場への影響はその後も続いた。
ユーロ圏債券市場でも長期債が売られ、イールドカーブのベア・スティープ化が見られたが、英国債に比べて値動きは穏やかだった。
株は、複数のM&A(企業の合併・買収)案件が発表されたことを背景に上昇した。
ストックス欧州600指数は0.2%高で取引を終えた。素材株と自動車株が上昇した一方、不動産と小売株は出遅れた。再生可能エネルギー関連株は、太陽光・風力業界にとって打撃となる課税案が、トランプ米大統領の税制法案から削除されたことを受け、上昇した。
個別銘柄では、英スペクトリスが、KKRから買収を提案されたことを受け、3.7%上昇した。スペインのサンタンデール銀行がサバデル銀行の英国事業を26億5000万ポンド(約5230億円)で買収することで合意したと発表し、サバデル株が5.2%上昇した。
7月2日の欧州マーケット概観(表はロンドン午後6時現在)
株 終値 前営業日比 変化率 ストックス欧州株600 541.21 +0.96 +0.18% 英FT100 8,774.69 -10.64 -0.12% 独DAX 23,790.11 +116.82 +0.49% 仏CAC40 7,738.42 +75.83 +0.99% 債券 直近利回り 前営業日比 独国債2年物 1.86% +0.01 独国債10年物 2.66% +0.09 英国債10年物 4.61% +0.16原題:Gilts Lead Bonds Lower in Bear-Steepener; End-of-Day Curves、European Stocks Gain as M&A Lifts Banco Sabadell and Spectris(抜粋)