全国CPI、7月は予想上回る+3.1% 食品高騰で3%台の伸び続く
[東京 22日 ロイター] - 総務省が22日に発表した7月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除く総合指数、コアCPI)は前年比3.1%上昇した。エネルギー価格が下落に転じ、伸び率は前月の3.3%から鈍化したが、事前予想の3.0%を上回り、8カ月連続の3%台となった。
食料価格の上昇が続く中、コメ価格の高止まり観測から、エコノミストからはコアCPIの見通しを引き上げなくてはいけないとの声も出始めている。
エネルギー価格は前年比0.3%下落と、前月の2.9%上昇からマイナスに転じた。マイナス転換は2024年3月以来。電気代、都市ガス代ともに前年比マイナスとなった。昨年7月に政府の電気・ガス価格激変緩和対策が終了したことを受けて伸び率が急拡大した反動が出た。ガソリン価格は1.3%下落。政府の燃料油価格定額引き下げ措置が影響した。
一方、生鮮を除く食料は8.3%上昇し、前月の8.2%上昇を上回った。伸び率が前月を上回るのは12カ月連続。値上げでチョコレートが51.0%上昇、ブラジルでの鳥インフルエンザの影響や国内での需要増で鶏肉は9.3%上昇した。コメ類は90.7%上昇で、高水準ながら前月の伸び率100.2%を下回った。
食品価格の高騰がコアCPIの高水準の伸び率を支える構図が続いている。UBS証券の栗原剛次席エコノミストは「食品インフレはまだまだ強い」と指摘する。コメ価格がようやく前年比で減速し始めたとはいえ、前月比で0.6%下落に過ぎない。コメと生鮮食品を除く食品のインフレは6月の5.7%から6.0%へ加速しており「まだ数か月は加速しそうだ」とみる。
同証券ではこれまで、新米の供給増加でコメ価格は落ち着くとの見通しを持っていたが「足元の動向を見ていると高止まりする可能性が高く、コアCPI見通しを引き上げなければいけなくなってきている」とした。
25年産の新米が全国各地で店頭に並び始め、昨年よりも値上がりしているとの報道が目立っている。総務省担当者によれば、CPIには店舗ごとの「売れ筋」の価格が反映されるため、8月分から徐々に新米価格の影響がCPIに出てくる見通しだという。
コア対象522品目のうち、上昇が414、下落が74、変わらずが34。上昇品目は前月の417を下回った。
総合指数は前年比3.1%上昇し、伸びは前月の3.3%から縮小。生鮮食品およびエネルギーを除く総合指数(コアコアCPI)は3.4%上昇と前月から横ばいだった。
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