「On」スニーカー好調、製造元スイス企業が通期見通しを上方修正
- 通期は31%増収と従来予想から3ポイント引き上げ-市場予想上回る
- 株価は一時14%高と4月9日以来の大幅高-終値は9%高
「On(オン)」ブランドのスニーカーを展開するスイスのオン・ホールディングの株価が急伸した。4ー6月(第2四半期)決算が予想以上に堅調で、通期の売上高と利益の見通しを引き上げたことを受けた。欧州やアジアで高価格帯スニーカーの需要が高まっている。
テニス界のスーパースター、ロジャー・フェデラー氏が支援する同社は、通期の売上高が為替変動の影響を除いたベースで少なくとも31%増加すると予想。従来予想から3ポイント引き上げ、アナリスト予想を上回った。純売上高は現行の為替レートで29億1000万スイスフラン(約5330億円)に相当するという。
オンはランニングシューズを中心とする事業からテニスやトレーニング、アパレルなどにも拡大し、スニーカー業界で有力ブランドの一角に躍進した。2010年の創業以来急成長を遂げ、ナイキやプーマといった大手のシェアを侵食している。
同社の株価は12日のニューヨーク市場で一時14%高と、日中の値動きとしては4月9日以来の大幅な上昇率を記録した。終値は約9%高だった。
通期の粗利益率は60.5-61%と従来予想からわずかに上方修正した。自社店舗や電子商取引での販売チャネルの拡大が予想を上回る成長につながったという。
年内に5-10店舗の新規出店を計画しており、本拠地のチューリヒの他、米カリフォルニア州パロアルトや韓国国内の数カ所を予定している。
4ー6月の売上高は為替変動を除くベースで前年同期比38%増の7億4900万スイスフランとアナリスト予想を上回った。粗利益率は61.5%に達し、こちらも予想を上回った。
一方、4ー6月は予想外の赤字に転じ、純損失は4090万スイスフランとなった。ドル安による為替変動が響いた。
原題:Swiss Sneaker Maker On Surges After Boosting Sales Target (2)(抜粋)