【琴勝峰 優勝一夜明け会見全文】父への感謝、居酒屋「達磨」のおすすめメニューは?

名古屋場所で、東前頭15枚目の琴勝峰(25=佐渡ケ嶽)が初優勝しました。

千秋楽から一夜明けた28日、名古屋市の部屋で会見しました。会見全文をお送りします。

大相撲

優勝一夜明け会見に臨む琴勝峰(撮影・小沢裕)

司会これより令和7年7月場所優勝会見を始めたいと思います。まず始めにNHK三輪アナウンサーより質問があります。で、その後、各社質問に移ると思います。よろしくお願いいたします。

―それでは、関取よろしくお願いします。お願いします。あらめて、幕内最高優勝おめでとうございます。

ありがとうございます。

―一晩たってどうですか。実感というのは、また昨日とは違ったものが出てきたでしょうか

んー、まだなんか自分が優勝したのかっていうような、感じですね。

―そのあたりは昨日優勝を決めた後から、あまりまだ自分のものになってないような、

なんか事実としてはわかってるんですけど、でも、不思議な感じです。

―今の気持ちのような感覚というのは、これまでにも似たようなことありましたか。それとも初めての感覚ですか

初めてだと思います。

―そうですか。どうでしょう。これまでも15日間の戦いというのは年6場所してきたわけですが、優勝を果たした翌朝と、これまでとはまた違った体の感じ、気持ちの感じはありますか

でもこの疲労がまだ残ってる感じは一緒かもしんないですね。

初優勝を果たし、インタビューに答える琴勝峰(右)(代表撮影)

―昨日の優勝インタビューなど、また今の表情を見ていても、本当に今場所、とにかく自然体だなという感じが15日間感じていました。そのあたり、関取、どう感じてますか

そうですね、なんか特に気負うこともなく。なんかもう土俵に上がるまでは緊張する瞬間とかもあったんですけど、上がったらもうほんとに立ち合いに集中できて。後半よりそういうのが、より集中できるようになっていってたので。はい。

―優勝を意識し始めたのも、横綱大の里関に勝ったあたりからでしたかね。

そうですね、はい。

初優勝を果たし、賜杯を受ける琴勝峰(左)(代表撮影)

―インタビューの中でありましたけども、その最終盤もそこが変わらなかった

なんかもう土俵があったら、はい、立ち合いだけっていう。

―それは何かうまく切り替えられる方法を見つけたのか、自然とそういう形でできたのか

ちょっと連敗してから、肩の力抜いていこうと思って、多分そういうのが、その意識がそういうふうにつながっていったのかなと。

―3連勝のあとの連敗でしたね

はい。

―そこで変わりましたか

そうですね。ちょっと力みすぎてたのかなっていう感じはあったので、そこからちょっと変えてみました。

―場所の直前に右の太ももを少し痛めるというところがありましたから、その辺が何か序盤のその力み、みたいなところにもつながったんですか

そうかもしれないですね。はい。

―ほかに何か力むような要素がありましたか

いつもやっぱり初日からはちょっと考えてしまうとか、緊張してしまう部分もあるので、そういうところで力んで、自然と気づかずに力んでしまっていたのかもしれない。

優勝一夜明け会見を終え宿舎前でガッツポーズする琴勝峰(撮影・小沢裕)

―しかし、本当にそういう中で初優勝をつかんで、幕内最高優勝。どうですか。その自分が優勝力士になるという、そういうイメージっていうのはこの場所中、連勝が伸びていく中で、どこかでイメージできた瞬間っていうのはありましたか

うーん、やっぱとことん本割の一番に意識が向けれていたのかなって、ほんとに思います。

ーとにかく土俵上の一番に

そうですね。

―関取はこれまでもこう、大きな体ではありますけれども、本当にいろんなことができる力士だという実感があって、いろんな立ち合いがありましたけども、終盤はこう、胸から当たる立ち合いでずっと続けていかれましたけど、あの辺っていうのはどうだったんです。

そうですね、途中から少し胸から行く立ち合いで手応え感じられるようになったので、そっから、そうですね、胸から行こうって思いました。

―どの辺ですかね

11日目。

―隆の勝関との一番

結構立ち合いからいい攻めができていたのかなと、はい。

―そういう中で、優勝争い、並走から先頭になったというところの、その辺の夜の過ごし方であったり、土俵に向かう気持ちっていうのは、そこでも変化がなかったんですか

でも、夜はやっぱちょっと寝れなかったのはあります。

―何日目くらいからそういうふうになりました

横綱戦の前夜。そのくらいです。

―その時は、どんなふうに過ごしてたんですか

なんかもう音楽聴いて、落ち着けばな。寝れそうだなってなるまで音楽聴いてました。

師匠の佐渡ヶ嶽親方(中央)から水を付けてもらう琴勝峰(撮影・小沢裕)

―千秋楽はもう勝てば優勝という中で迎えましたけれども、その日もそれまでの14日間と朝起きてから変わらずに過ごせましたか

いや、やっぱ緊張。どうしてもち優勝がちらつくっていうことはありましたね。

―その気持ちをこう、どんなふうに土俵上の一番に集中していくまで持っていったんですか

いや、なんか無理に抗おうとせず、もうしょうがない。緊張するのはしょうがないんで、そこもそんな気にしない。緊張するなら緊張するでいいやぐらいで。はい。でも、もう土俵の一番だけ力が出るようにっていうふうに、なんか準備運動からやってました。

―令和5年の初場所に貴景勝関と千秋楽相星の優勝がかかる一番がありましたが、その時と今回とでは、大きく心境面で違った部分ってありましたか

やっぱ土俵上がってからもう前回はもうすごい緊張と雰囲気にもう飲み込まれてしまっていたっていう経験があったので、自分らしくっていう。今回は自分らしく。はい、肩の力抜いてっていうのは、その経験生かせたことだと思います。

琴勝峰(右)をすくい投げで破り、優勝を決める貴景勝(2023年1月22日撮影)

―入門から7年半ぐらいですかね。今回の初優勝までもうあっという間に幕の内に上がって、そこからケガなどもある中でこうして優勝をつかみましたが、この7年半の力士になってからの期間っていうのは今どう感じてますか

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1996年入社。特別編集委員室所属。これまでオリンピック、サッカー、大相撲などの取材を担当してきました。X(旧ツイッター)のアカウント@ichiro_SUMOで大相撲情報を発信中。著書に「稽古場物語」「関取になれなかった男たち」(いずれもベースボール・マガジン社)があります。

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