「アップデートできない検察」 審査員氏名流出に潜む根深い問題

ジャーナリスト・江川紹子さん

 山口地検岩国支部が1月、検察審査員の氏名を外部に流出させていました。制度の根幹に関わる不祥事ですが、法務・検察当局は毎日新聞が報道するまで事実を公表してきませんでした。組織の閉鎖性と検察審制度への影響について、ジャーナリストの江川紹子さんと、平山真理・白鷗大法学部教授(刑事法)に話を聞きました。

 【検証記事】 前編:検察不祥事暴いた「動かぬ証拠」 始まりは司法の信頼憂える通報 後編:にじんだ検察の組織防衛 プライバシー流出招いた検事の理解不足

江川さん「国民の目から隠蔽」

 不祥事が起きた際はまず事実を明らかにし、その上で原因の検証と再発防止策を公表して信頼回復につなげるのが一般的な対応だ。

 しかし、検察は毎日新聞の報道があるまで「プライバシー」を理由に審査員の氏名が流出した事実を公表しなかった。

 「漏えい文書」の回収にも動かず、常識から外れた対応だ。

 不祥事や個人情報の保護、人権に対する社会の意識はアップデートし続けているのに対し、強大な権力を持つ検察は独自の論理で凝り固まり、古い感覚から抜け出せていないことが問題の根底にある。

 プライバシーを盾に組織にとって都合の悪いことを国民の目から隠蔽(いんぺい)しようとする体質は昔から変わらない。

「司法全体の動き鈍い」

 検察にとって審査員の氏名の秘匿は当たり前だったかもしれないが、認識が足りない検事がいることが明らかになった。だとすれば問題が繰り返される可能性がある。

 個人のミスに矮小(わいしょう)化せず、組織全体として危機感を持ち、事例を全国の地検に周知して制度の趣…

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