米上院共和党、税制・歳出法案の新草案を発表-採決に向け動き加速

Erik Wasson

  • 新草案、上院共和党内で対立していた各派閥との妥協を反映
  • 早ければ28日昼にも採決開始、最終的な採決は29日朝の見通し

米上院共和党は総額4兆2000億ドル(約607兆円)の税制・歳出法案の新たな草案を発表した。トランプ米大統領が設定した7月4日の期限を前に採決に向けた動きを加速させている。

  新たな草案は、上院共和党内で対立していた各派閥との妥協を反映したもので、メディケイド(低所得者向け医療保険)などの社会的セーフティーネットの削減幅や、バイデン前政権下で導入された再生可能エネルギー向け税控除の段階的廃止ペースを巡る意見の相違に対応している。

  州・地方税(SALT)控除上限の拡大を巡る下院共和党との暫定的な合意も盛り込まれた。草案では、現在1万ドルに制限されている控除上限を5年間にわたり4万ドルまで引き上げた上で、その後は再び1万ドルに戻すとされている。

関連記事:トランプ氏、減税法案の7月4日までの可決求め圧力-前言撤回

  共和党は、早ければ28日昼にも草案の採決を開始し、最終的な採決は29日朝に行う見通しだ。党幹部は、トランプ氏が定めた独立記念日である7月4日の期限に間に合わせるため、来週初めにも下院議員をワシントンに呼び戻し、最終承認を得ることを目指している。

  ただし、草案の可決に必要な上院共和党議員50人全員の支持が得られているかは依然として不透明だ。必要に応じて、採決に先立つ上院での審議中に草案の修正が行われる可能性がある。下院でも、ジョンソン議長が支持を取り付けるのに苦戦する場合、さらなる修正が加えられる可能性がある。

原題:Senate Unveils New Trump Tax Draft With Plans to Vote Soon(抜粋)

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