日本郵便社長が謝罪「実態把握、氷山の一角」 運転手点呼問題
染田屋竜太 山田暢史
日本郵便近畿支社管内の多くの郵便局で運転手への法定の点呼が適切に行われていなかった問題で、日本郵便は23日、全国の郵便局約3200局のうち、75%にあたる2391郵便局で不適切な点呼があったと発表した。同日、東京都内で記者会見を開いた千田哲也社長は「関係の皆様に大変なご心配をおかけした」と謝罪した。
千田社長は会見で、「点呼と運送がセットであるという意識をもって、順守する必要があるにもかかわらず、会社全体でそうした意識が希薄化していた」と述べた。そのうえで不適切な点呼があったのに書類上は適切とされていたものが相当数あった、と説明。「書類が整っていれば点呼ができていると思い、それ以上追及できていなかった。ガバナンス欠如、経営者として反省している」と話した。
不適切な点呼が始まった時期については「不明」としつつ、「かなり昔から行われていたのではないか」と指摘。「(現場が)『こんなものでいいのか』と思って慣行化してきたのではないか」と話した。
また問題の原因分析が部分的ではないかと記者に問われると、「まだ氷山の一角という可能性が大いにある。実態をしっかり把握して、いったい何が本当の意味での主因なのかというところにたどり着いた上で、全部洗い出しをしていくということを会社を挙げてやっていかなければいけない」と述べた。
日本郵便の不適切点呼を巡る経緯
2024年5月11日 横浜市の郵便局の配達員が点呼を受けずに酩酊(めいてい)運転。警察への通報は11日後
5月30日 本社が全国に点呼徹底を通知
2025年1月下旬 兵庫県の郵便局で数年間にわたる点呼未実施が発覚
2月 近畿支社管内の約8割で不適切点呼が判明
2月26日 東京都内で飲酒事案。公表せず
3月3日 全国の郵便局で点呼の調査を開始
3月11日 朝日新聞が不適切点呼の問題を報道。本社が記者会見し謝罪
3月17日 横浜での酩酊運転が朝日新聞の報道で発覚
3月26日 日本郵政の増田寛也社長が飲酒運転の報告遅れを会見で批判
4月8日 都内の飲酒事案が朝日新聞の報道で発覚
4月23日 全国調査結果を報告、発表
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この記事を書いた人
- 染田屋竜太
- 東京社会部
- 専門・関心分野
- 事件・事故 国際ニュース(アジア)
- 山田暢史
- 東京社会部|メディア担当
- 専門・関心分野
- 農林水産業、食、武道、災害