大谷翔平への死球は「構わないが…」 ド軍OBが指摘した"メジャーの伝統"への裏切り

 報復死球を巡る波紋は、まだまだ収まりそうにない。ドジャースの大谷翔平投手が19日(日本時間20日)に行われたパドレス戦で受けた死球が「報復」かどうかを巡り、球団OBでもあるコメンテーターが、報復死球自体は容認しつつも、当てる場所が「マナー違反」であると怒りを爆発させた。

 大谷は同戦の9回、ロベルト・スアレス投手の99.8マイル(約160キロ)直球が背中を直撃。4連戦で2個目の死球となった。直前にはパドレスのフェルナンド・タティスJr.外野手が死球を受け、一触即発の事態に。両軍の監督が退場処分となり、警告試合となった。

 この騒動に、ドジャースの地元ラジオ局「AM 570 LA Sports」でアナリストを務めるジェリー・ヘアストンJr.氏がコメント。「何が不満かと言うと、彼らがオオタニを当てたければそれは構わない。でもやるんだったら、必ず腰より低い場所じゃないといけない! 腰より低い場所じゃないといけない! わかったか?」とぶちまけ、報復死球という行為よりも当てる場所に問題があるという持論を展開した。

 さらにヘアストンJr.氏は「でも彼らは高い場所に当てた。右肩で済んだのは、彼が屈んだからだ。わかるか? いとも簡単に頭部に当たっていたかもしれない。それは、許されない!」とまくし立て、怒りが収まらない様子。「私は伝統を重んじるタイプだ。なので、目には目を歯には歯をやりたいんだったら、それは構わない。(自分たちの)選手を守らないといけないから、理解はできる。でも、彼らがオオタニの時みたいに(腰より)高く、首付近に投げるのであれば、それはとてつもなく危険な行為だ。絶対に駄目だ」と述べ、ビーンボールは絶対に許されないと主張した。

 大谷は死球を受けた後も味方ベンチをなだめ、笑顔で一塁へ。パドレスの選手と会話を交わす異例の対応を見せた。この行動にヘアストンJr.氏は「オオタニは事態を沈静化させる、すばらしい仕事ぶりだった。大人の振る舞いだ! オオタニは大人の振る舞いを見せたんだ!」と称賛。他方で「あと、忘れてはいけないのは、オオタニは投手もやることだ」と、大谷自らが報復死球を投げられる立場にあるという皮肉も忘れなかった。

(Full-Count編集部)

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