【ネタバレ】『ばけばけ』いきなり貧乏なヒロインに隠された秘密とは 史実通りなら「苦労人すぎる」
2025年9月29日にスタートした朝ドラ『ばけばけ』が、初回から大きな反響を呼んでいます。本作はまず、ヒロインのトキの貧乏な幼少時代が描かれるようです。彼女にはさらにある秘密があるかもしれません。
1890年に来日し、『怪談』『知られぬ日本の面影』『骨董』などの名作文学を残した小泉八雲さん(パトリック・ラフカディオ・ハーン)と、彼を支えさまざまな怪談を語ったという妻の小泉セツさんの生涯をモデルにしたNHK連続テレビ小説『ばけばけ』は、2025年9月29日から放送がスタートしました。第1話はいきなり主人公「松野トキ(演:高石あかり)」が、夫「レフカダ・ヘブン(演:トミー・バストウ)」に、かの有名な『耳なし芳一』の怪談を語っている場面から始まっています。
その後、トキは自身の幼少期の話を語りだし、物語は彼女の幼少期(演:福地美晴)の、明治初期に飛びました。トキは没落士族の松野家のひとり娘で、父「司之介(演:岡部たかし)」と母「フミ(演:池脇千鶴)」、祖父「勘右衛門(演:小日向文世)」と貧しく暮らしています。家族総出で丑の刻参りをし、その姿を見られて学校でバカにされるなど、さっそく不遇な幼少時代が描かれました。
※この記事では、『ばけばけ』の今後の展開のネタバレになる情報に触れています。
また、モデルのセツさんの情報を踏まえると、彼女にはまだ視聴者に語られていない設定があるようです。
1868年(明治元年)2月26日生まれのトキさんは、生まれる前からある運命が決まっていました。生家である小泉家は、彼女を子供がいない縁戚の稲垣家に養子に出すことにしていたのです。そして、誕生から7日を祝う「お七夜」を終えると、彼女は実親の湊さんとチエさんの元を離れ、養父母の金十郎さんとトミさんに引き取られました。
セツさんは記録によると幼少期から自分が養子であることは教えられており、それほど離れていなかった小泉家にもたびたび訪れながら、稲垣家で大事に育てられたそうです。しかし、金十郎さんは明治維新後に始めた慣れない商売で失敗し、一家は先祖代々の家を追われるほど没落してしまいます。
そして1879年、まだ11歳のセツさんは実父の湊さんが興した機織の会社で働き始めて家計を助け、その後、18歳で鳥取の士族の出である前田為二さんを稲垣家の婿養子に迎えて結婚しました。しかし、生活の支えとなっていた小泉家の機織会社の経営が傾き、為二さんは貧乏暮らしに耐えかね稲垣家を去ってしまいます。そして、為二さんとの婚姻解消後、セツさんは1890年、22歳のときに小泉家に復籍しました。
そして1891年、セツさんは島根県尋常中学校の英語教師をしていたハーンさんと女中として出会い、その後互いに惹かれ合って夫婦となります。ハーンさんが帰化してふたりが正式に結婚したのは1896年のことで、彼はその際に「小泉八雲」に改名しました。
セツさんは自分が養子だと知ったうえで育ったそうですが、『ばけばけ』第1話ではトキは松野家の本当の子供のように描かれています。ただ、養子の設定がなくなったわけではないようで、『ばけばけ』にもトキの生家に当たると思われる松野家の親戚、「雨清水家」が登場予定です。
公式サイトの紹介を見ると、雨清水家の当主「傅(演:堤真一)」は「親戚のトキを幼い頃から可愛がっている」人物で、妻の「タエ(演:北川景子)」は「親戚であるトキにも、礼儀作法やお茶など武家の娘としての教養を厳しく教えている」人物のようです。『ばけばけ』では、しばらくトキが雨清水家の生まれであることが隠されて話が進むと思われます。
また、いずれトキがセツさんのように雨清水家に復籍すると考えると、彼女と結婚するレフカダ・ヘブンは後年、小泉八雲ではなく「雨清水八雲」と名乗るようになるのでしょうか。今後に注目です。
※高石あかりさんの「高」は「はしごだか」
参考書籍:『八雲の妻 小泉セツの生涯』(潮出版社)、『小泉セツ 八雲と「怪談」を作り上げたばけばけの物語』(三才ブックス)
(マグミクス編集部)