“衝撃の八月納涼歌舞伎”が開幕、松本幸四郎「ぜひ皆さんに興奮していただけたら」(舞台写真 / コメントあり / 写真83枚)

松竹創業百三十周年「八月納涼歌舞伎」が、昨日8月3日に東京・歌舞伎座で開幕した。

第一部は、約31年ぶりの上演となる新歌舞伎「男達ばやり」で幕開け。坂東巳之助が町奴の朝日奈三郎兵衛、中村隼人が旗本奴の三浦小次郎に扮し、2人の男の意地の張り合いが繰り広げられる。続いて、松本幸四郎中村勘九郎が趣の異なる舞踊二題を披露。 古くから中国に伝わる霊獣が舞う幻想的な「猩々」では、猩々を幸四郎と勘九郎、酒売りを市川高麗蔵が勤め、幸福感に満ちた「団子売」では、幸四郎の杵造、勘九郎のお福夫婦が息の合った踊りを見せる。

第二部の幕開きを飾るのは、日本神話の八岐大蛇退治をもとにした「日本振袖始」。今回の上演では、これまで岩永姫を演じてきた坂東玉三郎が監修を担い、岩長姫実は八岐大蛇を中村七之助、素盞嗚尊(すさのおのみこと)を市川染五郎が勤める。続く、新作歌舞伎「火の鳥」では、バレエやマンガなどの題材にもなってきた「火の鳥」伝説をもとに、玉三郎が演出・補綴、原純が演出・補綴・美術原案を担当。玉三郎が火の鳥、幸四郎が大王(おおきみ)、染五郎と市川團子がヤマヒコ、ウミヒコ兄弟に扮する。

第三部は、江戸の日本橋を舞台にした賑やかな舞踊「越後獅子」でスタート。角兵衛獅子に中村橋之助市川男寅中村福之助中村虎之介中村玉太郎中村歌之助市川青虎の花形7人が出演する。また第三部には、十八世中村勘三郎と野田秀樹のタッグにより生まれた「野田版 研辰の討たれ」が登場。2001年初演、2005年に再演された作品の約20年ぶりの上演となる今回は、研屋上がりの主人公・守山辰次を勘九郎が勤める。ほかの出演者には、平井九市郎役の染五郎、平井才次郎役の中村勘太郎、八見伝内役の市川中車、粟津の奥方萩の江 / 姉娘およし役の七之助、家老平井市郎右衛門役の幸四郎、僧良観役の中村扇雀が名を連ねた。

初日公演の第一部の開場前には、歌舞伎座の劇場前に幸四郎、勘九郎、七之助、巳之助、坂東新悟大谷廣太郎中村米吉、隼人、橋之助、男寅、福之助、虎之介、玉太郎、歌之助、染五郎、團子、勘太郎、中村長三郎がそろいの浴衣で登場し、客に向けてあいさつを行った。幸四郎は「今年の八月納涼歌舞伎は、“衝撃の八月納涼歌舞伎”だと思っております。ぜひとも皆さんにびっくりしていただき、興奮していただいて、夏の暑さを吹き飛ばす時間にしたいと思います。たくさん汗をかいてがんばります」とコメントした。

「八月納涼歌舞伎」は8月26日まで。

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松竹創業百三十周年「八月納涼歌舞伎」第一部

2025年8月3日(日)〜26日(火)東京都 歌舞伎座

スタッフ

一、「男達ばやり」

作:池田大伍演出:織田紘二

出演

一、「男達ばやり」

朝日奈三郎兵衛:坂東巳之助三浦小次郎:中村隼人唐犬権兵衛:市川猿弥奴権平:市川青虎老人六兵衛:嵐橘三郎放駒四郎兵衛:中村福之助茶屋亭主又兵衛:中村橋之助又兵衛女房とま:中村米吉

二、「猩々」

猩々:松本幸四郎 / 中村勘九郎酒売り:市川高麗蔵

二、「団子売」

杵造:松本幸四郎お福:中村勘九郎

松竹創業百三十周年「八月納涼歌舞伎」第二部

2025年8月3日(日)〜26日(火)東京都 歌舞伎座

スタッフ

一、「日本振袖始」

作:近松門左衛門監修:坂東玉三郎

二、「火の鳥」

脚本:竹柴潤一演出・美術原案:原純

演出:坂東玉三郎


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