米最高裁、下級審による解雇政府職員の再雇用命令を差し止め

 4月8日、米連邦最高裁判所は、解雇された試用期間中の連邦政府職員を再雇用するよう命じた下級審の仮処分を差し止める判断を下した。写真はプラカードを掲げて大量解雇に抗議する消費者金融保護局(CFPB)の職員ら。3月3日、ワシントンで撮影(2025年 ロイター/Kent Nishimura)

[8日 ロイター] - 米連邦最高裁判所は8日、解雇された試用期間中の連邦政府職員を再雇用するよう命じた下級審の仮処分を差し止める判断を下した。保守派判事が多数を占める最高裁が、政府規模縮小を目指すトランプ政権の意向に沿う姿勢を示した形だ。

サンフランシスコの連邦地裁は3月13日、国防総省や復員軍人省、農務省、エネルギー省、内務省、財務省に対して、最近解雇したた試用期間職員を訴訟期間中に復職させる命令を出した。

この仮処分は、解雇を不当として複数の非営利団体や労働団体が起こした訴訟に対する措置だった。

しかし最高裁はこの日、原告側に訴えを起こす法的根拠は認められないなどとの見解を明らかにした。

原告団は最高裁の判断について「深く失望している」が、解雇者救済に向けて新たな法廷闘争を展開すると強調した。

一方メリーランド州の連邦地裁は同様の訴訟で、首都ワシントンと19州で生活するか働いている連邦政府職員の復職命令を出している。今回の最高裁判断は、サンフランシスコの連邦地裁による仮処分の差し止めに限定され、メリーランド州の連邦地裁の復職命令は依然として有効となる。

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