王者リバプールが劇的白星スタート!! 新加入FWエキティケ1G1A、遠藤投入後に悪夢の2失点もキエーザ決勝弾

[8.15 プレミアリーグ第1節 リバプール 4-2 ボーンマス]

 2025-26シーズンのプレミアリーグが15日、開幕節を迎え、昨季王者のリバプールボーンマスを4-2で破った。フランクフルトから新加入のFWウーゴ・エキティケが1ゴール1アシストで鮮烈デビューを果たし、一時2点リードしたが、そこからFWアントワーヌ・セメニョに2点を献上。ところが後半43分のFWフェデリコ・キエーザが劇的な決勝点を決めると、最後はFWモハメド・サラーもダメ押しゴールを奪い、劇的な形で白星発進を果たした。

 昨季王者リバプールの本拠地アンフィールドで行われたプレミアリーグ開幕戦。新加入のFWエキティケ、MFフロリアン・ビルツ(←レバークーゼン)、DFジェレミー・フリンポン(同)、DFミロシュ・ケルケズ(←ボーンマス)が先発し、ケルケズはさっそく古巣との対戦となった。

 試合前には、7月に交通事故で亡くなったFWディオゴ・ジョタさん、アンドレ・シウバさん兄弟への追悼セレモニーを実施。選手入場後、サポーターが『You'll never walk alone』を大合唱すると、熱いファンが陣取るKOPスタンドから「ルーテ、ディニス、ドゥアルテ、マファルダ、アンフィールドはいつもあなたたちの家です。You'll never walk alone」という家族に宛てた横断幕が掲げられ、スタンドがジョタさんとシウバさんのイニシャルと背番号や、出身地のポルトガル国旗を模した赤と緑のコレオグラフィーで彩られた。続いて1分間の黙祷が捧げられ、聖地アンフィールドが静寂に包まれた。

 試合は熱い幕開けとなった。まずは前半4分、リバプールが最初のビッグチャンス。DFフィルヒル・ファン・ダイクの縦パスをエキティケが胸で収め、右サイドに展開すると、これを受けたFWモハメド・サラーが鋭いカットインから強烈な左足シュートを放った。これはGKジョルジェ・ペトロビッチのファインセーブに阻まれたが、スタンドから大歓声が巻き起こった。

 対するボーンマスも前半6分、左サイドを突破したDFアドリエン・トリュフォーがアーリークロスを送ると、ファーサイドからセメニョが反応。ケルケズが粘り強く身体を寄せていたため、ダイレクトシュートは枠を外れたが、さっそく序盤から見応えある攻防が繰り広げられた。

 前半13分には物議を醸すシーンもあった。リバプールはサラーの浮き球スルーパスにエキティケが抜け出そうとしたが、ボーンマスのDFマルコス・セネシがトラップし損ねた後、手で払うような形でボールに接触。エキティケの突破を阻んだ。ところがアンソニー・テイラー主審は笛を鳴らさず、VARの介入もなし。ハンドであれば決定的な得点機会阻止による一発退場に該当しそうな場面だったが、お咎めなしに終わった。

 前半20分台には、スタンドからジョタさんのチャントと大きな拍手が自然発生。ジョタさんが4シーズン背負った背番号20はクラブ全カテゴリの永久欠番に指定されており、偉大な功績を思い返す時間となった。

 そうして迎えた前半37分、リバプールが先制に成功した。左に流れながら前を向いたMFアレクシス・マック・アリスターが縦パスを出すと、これを受けたエキティケが突破を開始。セネシに止められながらも強引に前進してペナルティエリア内まで持ち込み、最後は右足でフィニッシュした。エキティケはプレミアリーグデビュー戦で初ゴール。また今季のプレミアリーグ第1号ゴールとなり、「20」のハンドサインでジョタさんに祈りを捧げた。

 後半はリバプールがさらに勢いを強め、4分にリードを広げた。左サイドで前を向いたビルツがペナルティエリア内に斜めのパスを差し込み、エキティケがこれを収めると、うまく相手を背負いながらラストパス。そこに走り込んだガクポがカットインし、右足コントロールショットをゴール右隅に沈めた。ガクポも「20」のセレブレーションでジョタさんを追悼。エキティケは1ゴール1アシストの大活躍となった。

 2-0で迎えた後半15分、リバプールはフリンポンとケルケズに代わって遠藤とDFアンドリュー・ロバートソンを投入。遠藤はそのまま右SBに入り、これでプレミアリーグ通算50試合目となった。

 ところが同19分、遠藤が右の大外で加速したタイミングでMFドミニク・ショボスライが中盤でボールを失うと、そこからカウンターを喰らう。最後はDFイブラヒマ・コナテがMFデイビッド・ブルックスに振り切られ、クロスをFWアントワーヌ・セメニョに押し込まれ、1点を返された。

 その後もリバプールは押し込まれ続けるなか、後半27分にはエキティケとマック・アリスターに代わってDFジョー・ゴメスとMFカーティス・ジョーンズを投入。J・ゴメスは右SBに入り、遠藤がボランチに回った。

 それでもボーンマスの勢いは止まらない。後半31分、リバプールはJ・ゴメスのオーバーラップに合わせて遠藤とショボスライのダブルボランチが揃って攻め上がるも、サラーのパスが流れてボールを失い、そこから再びボーンマスのカウンターがスタート。数的優位を活かした突破を見せたセメニョが、左右の味方を囮にしながら自ら左足で突き刺し、2-2の同点となった。

 ところが最後はリバプールが強さを見せた。後半43分、GKアリソン・ベッカーのロングフィードで右サイドを攻め込むと、サラーのクロスにC・ジョーンズが反応。これは相手GKのナイスセーブに阻まれたが、こぼれ球に反応したFWキエーザがボレーシュートで突き刺した。キエーザはこれがプレミア初ゴール。昨季出場機会に苦しんだ27歳が大一番でチームを救った。

 さらに後半アディショナルタイム4分、リバプールは遠藤が敵陣深くにクリアボールを送ると、これにサラーが抜け出し、ペナルティエリア左に侵入。相手と正対した状態から利き足の反対の右足に持ち替え、右足シュートでネットを揺らして4-2とした。遠藤にはアシストがつき、サラーは通算10点目の開幕戦ゴールとなった。そのまま試合はタイムアップ。一時は苦しんだリバプールが開幕白星発進を果たした。●海外組ガイド●プレミアリーグ2025-26特集▶話題沸騰!『ヤーレンズの一生ボケても怒られないサッカーの話』好評配信中

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