詐欺対策は「AI vs. AI」の戦いに! 「迷惑電話」は固定電話から携帯に…迷惑電話撃退最前線
詐欺や営業勧誘など、応対したくない迷惑電話が増えている。以前は固定電話にかかってきたが、最近は携帯電話(スマートフォン)にかかってくるようになり、特に、海外からの迷惑電話が多くなっている。 【歌で防犯啓発…!?】伍代夏子が特別防犯支援官に…「国際電話の利用休止」を呼びかけ…! 国民生活センターは、海外の知らない番号からの国際電話が増えており、迷惑電話と思われる着信は無視するか、国際電話のブロックも有効と注意を喚起する。相談情報部の担当者は「知らない番号からの電話で、個人情報を聞き出すものがあり、注意してほしい」と警鐘を鳴らす。 国民生活センターによると、50代の女性から次のような相談が7月にあった。 スマホに「+」で始まる海外からの番号の着信があり、応答した。自動音声ガイダンスで「まもなく送電が止まります」という内容が流れ、「確認したい場合は1番を押してください」というので1を押すと、男性が応答して「まもなく電気が止まる」と言った。男性は大手電力会社を名乗ったが、契約する電力会社と違ったのでどういうことか尋ねると、一方的に電話が切れた。 40代の女性からの相談は、次のような内容だった。 電話に出ると、代金収納代行会社を名乗り「未納料金30万円を支払うように。支払わなければ提訴する」と言われ、驚いて名前や生年月日などを伝えた。冷静に振り返ってみると、電話番号は「+」で始まり、海外からの国際電話だったと気づいた。伝えた個人情報が悪用されないか心配という。 警察庁「特殊詐欺対策ページ」のサイトによると、特殊詐欺の電話は今年6月末時点で約73.5%が国際電話だった。 こうした迷惑電話対策は、「+」で始まる国際電話など知らない番号の着信なら無視するか、留守番電話を設定して録音内容を聞いてから対応を判断するなどさまざまだ。 ◆「AI」を活用 最近は迷惑電話対策の機能を搭載したスマホが発売されている。国内スマホ市場で半分以上を占めるiPhoneからは、9月に最新のiPhone17シリーズが発売されたが、さまざまな新機能のなかでも注目の一つに、迷惑電話対策の「通話(着信)スクリーニング」がある。 アップルの公式サイトによると、iPhoneに登録されていない番号からの着信があると、AIが自動で応答して名前と用件を聞いたあとに着信音が鳴り、表示された情報を見て出るかどうかを決められるという。事前に「連絡先」に知り合いなどの番号を登録しておく必要がある。 アップルは9月にiPhoneの基本ソフトウェア(OS)の最新版iOS26を公開しており、これが通話スクリーニングなど最新の機能に対応している。iPhone17のみならず、既存のiPhoneでもOSをiOS26にアップデイトできるものなら通話スクリーニング機能を利用できる。 アップルの公式サイトによると、iOS26にアップデイト可能なのは、iPhone11(’19年9月発売)以降とiPhone SE(第2世代/’20年4月発売)以降の機種だという。iPhone利用者の多くが通話スクリーニング機能を使えるとみられる。 一方、アンドロイドのスマホでは、Google Pixel 6(’21年10月発売)以降の機種に通話スクリーニング機能がすでに搭載されている。 iPhoneのiOS26の投入により、iPhoneとアンドロイドのスマホの両方に、通話スクリーニング機能を利用できる機種が広がった。