4つのディスプレイで直感的。もはや走るスマートデバイスなアウディ「A6 e-tron」
小難しさがなく直感的。
2025年7月24日、アウディ ジャパンが発表したのは「A6 e-tron(イートロン)」。
先日試乗会に参加させていただき、100%電気で走るBEV(バッテリー式電気自動車)だからこその静けさと、操縦する楽しさの詰まった1台を体感してきました。
ダイナミックなディスプレイによるスマート体験
Photo: mio「A6 Sportback e-tron performance」に乗り込んで、1番に目に入ったのはこの大きなメインディスプレイ(!)。ダッシュボードに沿って湾曲するように配置され、運転席からの操作がかなりしやすいようになっています。
Photo: mioその横にあるのが、まさかの助手席専用のディスプレイ「MMIフロントパッセンジャーディスプレイ」(テクノロジーパッケージオプション)。メインディスプレイから独立した操作もでき、ドライバーの運転を妨げることなくYouTubeや音楽などストリーミングを楽しむことが可能。助手席専用、と今までにない発想ですが、あるのとないのでは利便性にかなり大きな差がある気がします。
また、アウディとしてはじめて「Android Automotive OS」を採用。アプリをダウンロードすれば、スマートフォンのミラーリングではなく車載システム自体がアプリを処理し、この画面でYouTubeも操作することができるのです。
Photo: mioサイドミラーの代わりにカメラ映像を使った「バーチャルエクステリアミラー」もまさに最新鋭。
Photo: mio本来サイドミラーのある位置には、触覚のようなデザインのカメラを配置。BEVの場合少しの空気抵抗が走行可能距離に響くため、サイドミラーのフォルムも工夫されているんだとか。
GIF: mio走り出す前にこれら4つのディスプレイを触ってみたのですが、ボタンやトグルよりもタッチで操作/確認できる要素が多く、とにかく直感的。圧倒されるようなダイナミックな内装でありながら、タッチディスプレイだからこその簡単さが共存していました。
一充電走行距離は846kmと国内最長
Photo: mio電気自動車、と聞くと気になるのが1回の満充電で走行できる距離ですが、A6 e-tronは現時点で日本国内最長の846km(Audi A6 Sportback e-tron performanceにオプションのレンジプラスパッケージを装着)。これもバーチャルエクステリアミラー含め、空気抵抗を低減しアウディ史上ベストだという空力性能を実現したからこそなのだとか。
実際に走ると、これまでの運転体験にはなかったようななめらかさで、自分の運転がうまくなったかのような感覚。
というのもアクセルペダルから足を離すと、惰性でのコースティング走行(=勢いだけで走る)になり、すべるようになめらかな走り心地。たとえば遠くに赤信号が見えた時、アクセルを徐々に緩める→ブレーキを踏み完全に止まるとなると思うのですが、この①と②の間の減速時、ドライバーの一足先を予測しているかのようにスムース。ドライバーが意識せずとも最適な回生ブレーキをかける仕組みで静かに止まることができ、胸が浮くようにカックンとなるノーズダイブが起きにくいように思いました。
Photo: mioまた、走行モードはバランス/インディビジュアル、ダイナミック、コンフォート、エフィシェンシーの4モードを備え、シーンや好みに合わせてセレクト可能。
今回はコンフォートで走行してみたところ、まさに心地よく、長距離でも身体に負担の少ないような安心した走り。スポーティな走りというよりは加速/減速がなめらかで、家族や友人を乗せたい、そんな走り心地でした。
車内空間がとにかく快適だった
Photo: mio約80分間じっくりと山道から下道まで走ってみて、静けさとシートの座り心地からとにかく快適。耐久性に優れているという「レザーアーティフィシャルレザー」はもっちりと身体を包み込んでくれるから、上下の振動の少なさも相まって、おしりが痛くなるようなことがありませんでした。
そして電気自動車だからこそ、後部座席の足元はフラット。この凹凸がないだけで、後部座席がグッと広く使えます。
GIF: mio左折時の様子ちなみに走行中のバーチャルエクステリアミラーはこんな感じで、助手席から見ても楽しい。多少雨が降っていても雨粒に邪魔されず、抜群の視認性でした。サイドミラー分の空気抵抗を抑えられるのはもちろん、風切り音が最小限なのも静けさの理由なのだとか。
Photo: mio今回の試乗会でキーワードになっていたのが、アウディの「運転をラクにしていこう」というトレンド。
A6 e-tronの加速/減速のスムースさは、まさにそのキーワードを体現したBEVならではの走り心地でした。そして、左右のバーチャルエクステリアミラー、助手席と運転席のディスプレイ…と、運転席から見える4枚のディスプレイは「最新の車に乗っている」というワクワク感を与えてくれながら、触っているうちに覚えられるような明快な操作感。
賢いクルマに程よくアシストしてもらいつつ、ラクに、そして楽しく運転できる1台なのでした。
Photo: mio
Source: アウディ