ウクライナ軍、英供与のミサイルでロシアの化学工場を攻撃(BBC News)

ウクライナ軍は21日、イギリスから供与された長距離巡航ミサイル「ストームシャドウ」を使用して、ロシアの化学工場を攻撃したと発表した。 ウクライナ軍参謀本部は、ロシアの防空システムを突破した「成功した攻撃」だったと述べ、「大規模な」攻撃の結果を現在も評価中だと述べた。 数時間後、ロシアはウクライナの複数地域で大規模なドローンおよびミサイル攻撃を行った。ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領によると、子ども2人を含む6人が死亡した。 キーウ市内およびキーウ州、ドニプロペトロウシク州では緊急の停電措置が取られた。報道によると、ロシアは火力発電所を標的にしたという。 キーウのヴィタリー・クリチコ市長は、ロシアによる夜間の攻撃による破片が、首都内の複数の建物に深刻な損傷を与えたと述べた。 また、同市の軍事行政トップを務めるティムール・トカチェンコ氏は、首都で2人が死亡したと明らかにした。キーウ州では、女性1人と子ども2人が死亡した。 ロイター通信によると、目撃者は防空システムが作動しているような爆発音を聞いたという。 一方、ロシア当局は、ブリャンスク化学工場への攻撃について現時点でコメントしていない。ただし、ウクライナに長距離ミサイルを供与しないよう西側諸国に警告している。ウクライナは、ロシアによるウクライナ侵攻で重要な役割を果たしているロシアの施設を標的にすることが不可欠だと主張している。 ウクライナ軍は21日、ソーシャルメディアへの投稿で、「ブリャンスク化学工場は、侵略国家の軍需産業複合体における重要施設だ」と説明。この工場は「敵がウクライナ領土を攻撃するための弾薬やミサイルに使用される火薬、爆薬、ロケット燃料の構成要素を製造している」と付け加えた。 ■外交面で動き イギリスと欧州各国の指導者は21日早朝、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領との共同声明を発表。ロシアの経済および防衛産業に対する圧力を「プーチン大統領が和平に応じるまで強化する」と誓った。 ウクライナ、イギリス、ドイツ、フランス、イタリア、ポーランド、デンマーク、フィンランド、EU、ノルウェーの各首脳が署名した声明では、「ウクライナは、停戦の前、最中、そして後においても、最も強い立場にあるべきだ」と書かれている。 先週には、アメリカのドナルド・トランプ大統領とゼレンスキー大統領がホワイトハウスで会談した。会談の中でトランプ氏は、ウクライナが求めている長距離巡航ミサイル「トマホーク」の供与に慎重な姿勢を示した。 トランプ氏は当初、数週間以内にも、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領とハンガリーの首都ブダペストで会談するとしていた。しかしその計画は21日に見送りとなった。トランプ氏は「無駄な会談」をしたくないと述べた。 トランプ氏は、現在の前線で戦闘を停止することをロシアが拒否している点が、依然として主要な障害となっていると示唆している。 1カ月前には、トランプ氏はウクライナの戦争終結に関する自身の立場を大きく転換したと思わせた。ウクライナについて、「元の形でウクライナ全土を取り戻すことができる」と述べた。 ロシアは2022年2月にウクライナへの全面侵攻を開始し、現在ではウクライナ領土の約20%を支配している。これには、ロシアが2014年に不当に併合した南部のクリミア半島も含まれる。 (英語記事 Ukraine hits Russian chemical plant with UK-made Storm Shadow missiles)

(c) BBC News

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