インドに25%追加関税、トランプ氏が大統領令署名 ロシア産原油輸入を非難
トランプ米大統領は6日、インドがロシア産原油を直接または間接的に輸入しているとして、インドからの輸入品に25%の追加関税を課す大統領令に署名した。写真はホワイトハウスで開かれた共同記者会見で握手を交わすトランプ大統領とインドのモディ首相。2月撮影(2025年 ロイター/Kevin Lamarque)
[ワシントン/ニューデリー 6日 ロイター] - トランプ米大統領は6日、インドがロシア産原油を直接または間接的に輸入しているとして、インドからの輸入品に25%の追加関税を課す大統領令に署名した。これまでに発表している25%の相互関税に上乗せされ、インド輸入品に対し最大50%の関税が課されることになる。追加関税は7日から21日後に発効する。
インド外務省は声明で 「他の複数の国が国益のために行っている措置について、米国がインドに追加関税を課すことを選択したことは極めて残念だ」とし、 「インドは国益を守るために必要なあらゆる措置を講じる」と表明した。
トランプ大統領は、ロシアが8日までにウクライナ戦争の停戦で合意しなければ制裁を課し、ロシア産原油などを購入している第3国に対し「二次制裁」を科すと警告している。米国のウィットコフ中東担当特使は同日、ロシアを訪問し、プーチン大統領と3時間にわたり会談。対インド追加関税の発表はこの会談後に行われた。
追加関税を受け、米国との貿易交渉の席に戻るようインド当局への圧力が強まり、インドはロシア産原油購入の削減を迫られる可能性がある。両国はこれまで5回の交渉を行ったものの、インドの農産物・乳製品市場の開放が争点となり行き詰まっていた。最終的には、インドがロシア産原油購入の削減を拒否したことが、追加関税の決定につながったもよう。
今回の大統領令には、インドと同様にロシア産原油を購入している中国についての言及はない。
また、インド政府筋によると、モディ首相は今月31日から始まる多国間会議「上海協力機構(SCO)」の首脳会議に出席するため、中国を訪問する。米国との緊張が高まる中、7年ぶりの中国訪問で、印中関係の修復が進む可能性がある。
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