2025年インディ500結果変動:佐藤琢磨が昇格―複数台に技術違反、エリクソンは2位喪失

第109回インディアナポリス500マイルレース(インディ500)の決勝翌日となる2025年5月26日、レース後の車検で技術違反が発覚し、2位フィニッシュのマーカス・エリクソン(アンドレッティ・グローバル)ら3名の順位が剥奪された。これにより、佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)は繰り上がりで9位となった。

エリクソンはレース最終盤、アレックス・パロウ(チップ・ガナッシ)にオーバーテイクを許し、過去3大会で2度目となる2位に終わり、悔し涙を流した。だが、レース後の検査でエリクソン、6位のカイル・カークウッド(アンドレッティ)、12位のカラム・アイロット(プレマ)の車両に技術違反が発覚。いずれも最後尾グリッドに降格され、それぞれ31位〜33位に変更された。

アンドレッティ・グローバルの2台については、ダラーラ製エネルギーマネジメントシステム(EMS)のカバーおよびAアーム取付部に、未承認のスペーサーとパーツが使用されていたことが確認された。規定では、EMSカバーは供給されたままの状態で使用する必要があり、今回の改変は空力面でのアドバンテージを生む可能性があるとされた。

一方、アイロットのマシンについては、フロントウイングの左側エンドプレートが最低地上高および規定位置を満たしていなかったことが違反とされ、同様に最下位へと降格された。

これにより、レース結果は大きく変更され、デイビッド・マルーカス(A.J.フォイト)が2位、パトリシオ・オワード(マクラーレン)が3位に繰り上がり、11位でフィニッシュしていた佐藤琢磨も9位に昇格した。

アンドレッティとプレマの両チームにはそれぞれ10万ドル(約1,400万円)の罰金が科されたほか、両チームのチームマネージャーには次戦デトロイトGPでの出場停止という厳しい処分も下された。

今大会では、予選中にもチーム・ペンスキー陣営の車両に技術違反が見つかり、グリッド後方への降格処分が科されていた。相次ぐ違反発覚は、シリーズ全体の監査体制とチームの技術管理体制に対する信頼性を問う事態となっており、今後の再発防止策に注目が集まっている。

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