スマホホルダー設置で「罰金50万円」!? 危険すぎる“絶対NG”な場所&「正しい設置ポイント」はどこ? “うっかり間違い”で「事故や警察沙汰」のリスクも…!
今や日常生活のあらゆるシーンにおいて活用されるスマホ。もはや「クルマの運転中」もその例外ではありません。 カーナビゲーションとしてスマホでナビアプリを使用したり、オーディオと接続して好きな音楽を流す人もいるでしょう。 さらにハンズフリーキットを用いれば、スマホを触ることなく通話することも可能です。 しかしその一方で、運転中のスマホや携帯電話の使用については様々な制限も存在。 当然として「運転中にスマホを手に持って通話する」行為は道路交通法の違反に該当しますし、たとえ通話をしていなくとも「運転中にスマホを持って画面を注視する」ことも“ながら運転”と見なされるので、「違反点数3点+6ヶ月以下の懲役または10万円以下の罰金+1万8000円の反則金(普通車の場合)」が科せられることがあります。 またスマホを保持して通話したり画面を注視したことを要因として交通事故を起こした場合には、より重い刑罰が適用され、「違反点数6点+30万円以下の罰金」が科せられるのです。 そしてこの違反点数は、即座に免許停止となるほどの値。 つまり運転中のスマホの使用は、それだけ危険であると認識されているわけです。 そんな危険な“ながら運転”を防止しつつ、安全にナビアプリやオーディオアプリを使用できる手軽な手段が、先述した“スマホホルダー”を使用すること。 スマホホルダーをあらためて説明すると、スマホを運転席の周辺に取り付けるアイテムです。 スマホを手に持ったり注視する必要が無くなる利便性を求めて、実際にクルマに装着しているという人もいるでしょう。 しかしこのスマホホルダー、実は「どこに取り付けても良い」ということではありません。装着場所によっては法律違反に該当し、違反点数の加算や罰金を科せられる可能性があるので注意が必要です。 まず、取り付けてはいけない場所の筆頭が「フロントガラス」。 これは「道路運送車両法」の第3章(道路運送車両の保安基準)に触れるためで、通信機器・ドライブレコーダー・防犯カメラ・車間距離測定器といったもの以外はフロントガラスに設置してはいけないと定められているのです。 そして上記以外の“許可されていない機器”をフロントガラスに取り付けて運転した場合、「道路運送車両法第71条」の違反とみなされて、「1年以下の懲役もしくは50万円以下の罰金」を科せられる可能性があります。 次に注意すべき取り付け場所は「ダッシュボードの上」。 取り付けやすく操作性も良いため、実際にスマホホルダーを装着している人が多い場所ですが、ここも注意が必要です。 「道路運送車両の保安基準」第21条の「直接前方視界の技術基準」では、運転席に座った際に車両の前方にある高さ1mの円柱が見えなくなるような取り付け方法は、危険であるとしてNGとされています。(つまりヌイグルミや後付けモニターなども、取り付け位置次第でNG対象となります) そのほか、少数派ではあるものの「サイドガラス」や「サンバイザー」「バックミラー」にスマホホルダーを装着している人もいるようです。 実はこれらの箇所については、スマホホルダーの取り付けを明確に制限する法律は現在のところ存在しない様子。 しかしこのいずれもが、クルマの安全運転に必要な視界の確保に役立つ場所であるため、これを遮ってスマホホルダーを設置すると「道路交通法70条」の安全運転義務違反に問われる可能性は否定できません。 そして違反となった場合には、「違反点数2点+罰金9000円」が科せられることもあるので、やはり注意が必要なのです。 ※ ※ ※ このような内容を見ると、スマホホルダーを安全に設置できる範囲は想像以上に自由度が低いことが分かるでしょう。 前方の視界を防がないよう高さを抑えてダッシュボード上に設置するか、エアコン吹き出し口などのダッシュボード前面にクリップやマグネットで取り付ける方法、あるいはコンソールなどのカップホルダーに固定するタイプが、違反にならずしっかり固定できる箇所と言えそうです。 さらに、急ブレーキなどの衝撃で簡単に外れてしまうようでは乗員に危険を及ぼす可能性もあるので、取り付ける際には強度も考慮してください。 しかしどのような場所にスマホホルダーを設置したとしても、運転中にスマホの画面を注視してしまえば危険であり、元も子もありません。 基本中の基本ではありますが、ナビアプリやオーディオアプリなどの使用時にも走行中のスマホ操作は控えて、クルマの前方および周囲への注視を怠らず、決して“ながら運転”をしないようしっかり意識することが大切なのです。
くるまのニュース編集部