【5月7日に土星の環が消える】15年に一度の天体ショー 土星の環の正体とは?
土星といえば、誰もが思い浮かべるあの“ドーナツ型のリング”。しかし、その土星の象徴である「環(リング)」が、2025年5月7日に“消えてしまう”ことをご存じですか?約15年に一度だけ起こるレアな天文現象「土星の環の消失」についてご紹介します。
■そもそも土星の環って一体なに?
土星の環のイメージ 出典:NASA土星は、太陽系で2番目に大きな惑星で、巨大なガスの塊のような天体です。赤道の半径は地球の約9.4倍もありながら、密度は水よりも低いという“ふしぎな星”です。
何より特徴的なのが、壮大な「環」。これは1枚の板ではなく、無数の氷の粒や岩石が高速で土星の周囲を回っている構造で、太陽光を反射して美しく光り輝いて見えます。土星の環はとても薄い構造で、厚さは一番分厚いところでも約1km、薄いところはわずか10メートル程度。そして、そんな非常に薄い環を真横から見たらどうなるか?…答えはシンプルです。まるで線のようにしか見えず、地球からは消えたように見えてしまうのです。もちろん、環が本当に消えてなくなるわけではありません。
ちなみに、あのガリレオ・ガリレイが1610年に望遠鏡で土星を見たとき、環がちょうど“消えていた”ため、「土星の両側に耳のような奇妙なものがある」と記録したという話も。
環が見えなくなる3つのタイミング
土星 出典:NASA土星の環が“見えなくなる”主なタイミングは以下の3パターン。
- 地球から見て土星の環が横向きになるとき:薄い環が真横を向くことで、地球からは見えなくなる。
- 土星から見て太陽が赤道方向にくるとき:太陽光が環の“側面”に当たらず、反射しないため見えなくなる。
- 地球と太陽が土星に対して南北に分かれるとき:地球からは太陽光が当たっていない“暗い側”の環を見ることになり、見えにくくなる。
このような位置関係は、土星の約29.5年の公転周期の中で2回起きるため、約15年に一度の現象なのです。2025年5月7日は、第二の消失条件に該当し、「環の消失」が起こる特別な火なのです。また、11月25日ごろにも再び地球が赤道方向に近づき、観望チャンスとなる予測も。この「環の消失」は肉眼では難しいので、天体望遠鏡が必須です。
前回の環の消失は2009年であり、次回は14年後の2039年と言われています。みなさんも5月7日の土星観測にチャレンジされてみては?ぜひコメントお待ちしています。
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