『逆水寒』(Sword of Justice)TGSインタビュー&ブースレポート。1.2億通りの遊び方が存在するオンラインゲーム

“1.2億通り”の遊び方が存在するオンラインゲームが存在するという。

その名は『逆水寒(Sword of Justice)』

古代中国を舞台に、さまざまな英傑たちが活躍する時代で生き方を自由に選べるという大作だ。

記事執筆時点で日本ではまだリリースされていないが、すでに中国版では1億人以上のユーザーを集めるほどの人気を博している。

さて、「1.2億通りの遊び方が存在する」と聞いて、筆者はこう思った。

「どうやって遊びきるんだよ」と。

いくらなんでも、コンテンツを用意しすぎなのではないかと。

『逆水寒』の運営さんたちのサービス精神が旺盛すぎるのか、人間の寿命を完全に超越してしまっているように思える。

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事実、本作には非常に多くのプレイスタイルが存在する。

剣、拳、槍など6つの流派から自分のクラスを選択して挑む戦闘要素はもちろん、農業、工芸、建築、ハウジング、演奏、ダンス、料理人……果てには“乞食”なんて遊び方も存在するようだ。

驚くべきは、やろうと思えば草むしりしてるだけでもレベルはガンガン上がっていき、キャラクター自体は強化されるという点。どうやってバランスとってるの!?

今回は、9月25日より幕張メッセにて開催されているイベント「東京ゲームショウ2025」にて、本作の海外チーフプランナーを担当するMumu(Ford Zheng)氏に本作のこだわりについて話を伺うことができた。

あわせて、本稿では現地のイベントブースレポートも掲載している。現地の熱量を見てみたい方や、『逆水寒』に興味のある方はぜひ読んでみてほしい。

取材・文/TsushimaHiro編集/実存

目次

1.2億通りの遊び方を用意。何しててもレベルは上がるし、みんなで遊べる親切設計

──本作には、農業・建築・料理・ダンス……中には乞食という、MMORPGで選択できるステータスとしては一風変わったものも存在しております。それこそ「100の生き方」と銘打たれていますが、これだけ多くの選択肢があると、逆にユーザーが何をしようか迷うことも出てくるかと思うのですが、あえて大量の「生き方」を実装した狙いをぜひお聞かせください。

Mumu氏:当初の目的としては、「お客さまが100人いれば、100通りの遊び方があってもいいだろう」という目標を掲げておりました。

結果として、その遊び方は“1.2億通り”ほどになりました。そこは、今でも変わらないコンセプトとして作り続けています。

──それだけ多くの遊び方があると、やりきろうと思ったら人類の寿命がおそらくもたないと想像してしまうのですが、それぞれ違う遊び方をしている方々でも一緒に遊べるように出来ているのでしょうか。

Mumu氏:『逆水寒』は写真を撮影するだけでもレベルアップできますし、農業を進めるだけでもキャラクターは強くなっていきます。なので、それぞれ違う遊び方をしていても合流することは可能です。

一例として、バトルコンテンツを中心に遊んでいるプレイヤーと写真撮影や生活系のコンテンツを重視しているプレイヤーの能力値の差は大きくても15レベルほどに設定しています。ですから、本作ではフレンド同士でまったく違う遊び方をしていても、同じコンテンツを一緒に遊ぶことが可能です。

──なるほど。デイリーミッション内容を選択できる親切設計になっていたのも、そのような設計思想に基づいていたのですね。

Mumu氏:そうですね。また、これほど多くの選択肢を用意したのは、プレイヤーの皆さまに自由に遊んでいただき、それぞれのコミュニティが形成されてほしいという想いもあります。プレイヤーの皆さまの思うがままに、自由に遊んでいただければと思います。

10年かけて設計したAIを搭載したNPCがうろつくMMORPG

──本作には街中のNPCにプレイヤーが話しかけ、独自の関係性を築き上げることのできるシステムが搭載されています。このようなAIをMMORPGに組み込んだ狙いは何なのでしょうか。

Mumu氏:本作の開発チームは全体として1500人ほどの人員がいるのですが、登場するキャラの数が非常に膨大なので、1500人いても手が足りなかったんです。その問題を解決するために、「AIの力を借りよう」と思ったのが最初の目的でした。

もちろん、ひとりひとり違う答えや考えをもったAIを搭載したNPCがプレイヤーと交流する中で発生する独自の会話システムは「革新的なものになっているのではないか」という狙いもありました。

──それこそ、ストーリーの序盤で弱い者いじめをしており、敵対したキャラと会話して仲良くする……なんていう展開も可能でした。ちなみに、このAI技術は『逆水寒』独自のものなのでしょうか。

Mumu氏:はい、仰る通りです。完全に自社開発です。これらのAIは開発から約10年ほど経っておりまして、ゲームに本格的に適用されたのはここ2、3年です。

──10年間かけて作ったシステムがようやく花開いたということですね。

Mumu氏:はい。序盤はAIの開発にかなり力を入れていました。

ようやく、皆様にゲーム内で使っていただける段階となっています。

──AIが搭載されているNPCにも多数のバリエーションが存在していましたが、特に交流することをおすすめしたいキャラクターはいらっしゃいますか?

Mumu氏:特にNPCの中でも、「铁手」というイケメンのキャラクターと、売れっ子花屋の「李師師(りしし)」という女の子はおすすめですね。

日本でリリースする際には、有名な日本の声優さんの音声も収録されてお披露目できると思います。ぜひ、楽しみにしていただきたいです。

──これらの交流できるキャラには好感度イベントが実装されており、Live2Dアニメまで用意されていました。美麗な3Dモデルがあるにも関わらず、あえてLive2Dまで用意してくださっているのは、何か理由があるのでしょうか。

Mumu氏:風景やキャラクターは基本的に3Dモデルで制作されているのですが、より深く交流できるキャラクターに関してはLive2Dでアニメーションも用意し、UIも含めて皆さんに見ていただきたいという狙いがあります。

──確かに、まるで恋愛アドベンチャーゲームのような画面構成になっていましたね。それでは最後に、日本で本作を楽しみにしているユーザーに向けてのメッセージをお願いします。

Mumu氏:まず、皆さま『逆水寒』に注目していただき本当にありがとうございます。今は日本に向けてのリリースに向けて一生懸命頑張っています!

『逆水寒』は、プレイヤーの皆さまでさまざまな遊び方が築かれていくタイトルになっています。ゲームを遊べば遊ぶほどその内容は幅広くなりますので、ぜひ皆さんに「遊び方」を探していただき、体験していただきたいです。

そのために私たちは、「100の生き方」と1.2億通りの遊び方を用意したつもりです。基本プレイは無料なので、ぜひお気軽に遊んでみてください。

──本日はお忙しいところ、ありがとうございました。(了)

TGSブースは“中国浪漫”にあふれていた

さて、お次は『逆水寒』のイベントブースへと赴いてみよう。

ブースは大盛況で、試遊台はつねに満席状態。輪をかけて人気を博していたのは、『逆水寒』の美麗なキャラに扮したコスプレイヤーさんたちだ。

会場では絶え間なく撮影会が実施されており、時には中国の舞を披露するイベントや、巨大なくじ引きのような催しも開催されていた。

撮影会+試遊台のコンボ攻撃に中国の舞まで披露してくれるとは……

会場には日本人だけではなく中国圏の方も多数訪れており、大変盛り上がっていた。

『逆水寒』ブースは幕張メッセのホール8、C-02にて出展されている。非常に凝ったブースとなっているので、ぜひ現地にてご覧いただきたい。

『逆水寒』は公式サイトにて事前登録を受付中だ。

編集・ライター

MOTHER2でひらがなを覚えてゲームと共に育つ生粋のゲーマー。 国内外問わず、キャラメイクしたりシナリオが分岐するTRPGのようなゲームが好き。『Divinity: Original Sin 2』の有志翻訳に参加し、『バルダーズ・ゲート3』が日本語化される前にひとりで全文翻訳してクリアするほどRPGが好き。 『ゴースト・オブ・ツシマ』の舞台となった対馬のガイドもしている。 Xアカウント(旧Twitter)@Tsushimahiro23

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