中国・北京で「ロボット運動会」 大会通じ見えてきた“中国の野望” 人型ロボット性能向上の一方、開発競争激化も
長谷川裕記者(NNN北京) 「走ってきました! 400メートル走、すごい速さです」 去年と比べて今年はロボットの性能が飛躍的な進歩を遂げ、徒競走では人類を超える速度で走り抜けました。一方で、ゴール直後に壁に激突して炎上したり、転倒して動けなくなったり、トラブルも相次ぎました。
今年上半期に世界で出荷された人型ロボットの97%を中国製が占め、圧倒的な生産力で世界を席巻する中国のロボット。 大会を通じて見えてきたのは、実用化で世界の覇権を握ろうとする中国の野望です。 「ロボット運動会」という名前にもかかわらず、種目のおよそ半数は段ボールの開封やレジ業務など、私たちの生活や仕事現場での実用化を意識した種目でした。 北京市の担当者は、「競技でメダルを獲得すれば、受注を得ることになる」と述べ、単なる競技大会ではなく、実用化をアピールしてビジネスチャンスをつかむ場だと強調しました。
中国では政府による巨額の補助金を背景に、人型ロボット関連会社が140社にのぼっています。 新興メーカーからは、競争の激化を指摘する声が多く聞かれました。 ロボット開発企業 担当者 「人型ロボットの競争はますます激しくなっている」 「製品を極限まで磨き上げるのと同時に、コストを非常に低いレベルに抑える」 中国では、過度な値下げ競争で利益が削られ、事業者が疲弊する「内巻」と呼ばれる消耗戦が起きています。 去年出場したサッカーロボットは1体あたりおよそ420万円でしたが、今年は小型でおよそ68万円のモデルが登場するなど大幅に価格が低下しています。 電気自動車や太陽光パネルでも問題となった過度な競争が、ロボットでもくり返されるのか。華やかな運動会の裏で、生き残りをかけた中国企業の熾烈な戦いは始まったばかりです。