【完全ネタバレ】『スーパーマン』豪華カメオ出演&小ネタを徹底解説|シネマトゥデイ

 ジェームズ・ガン率いるDCスタジオの新作映画『スーパーマン』には、豪華カメオやDCコミック関連のイースターエッグがたっぷり詰まっている。リチャード・ドナー監督によるオリジナル映画やドラマ「ヤング・スーパーマン」など、歴代作品にまつわるオマージュとまとめて紹介する。(文・平沢薫)

※本記事はネタバレを含みます。映画『スーパーマン』鑑賞後にお読みいただくことをおすすめします。

ADVERTISEMENT

豪華すぎるカメオ出演!ジェームズ・ガン作品の常連が集結

 まず、ガン監督が手がけたマーベル映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズの出演俳優が大挙結集。スーパーマンの実の父親、クリプトン人のジョー=エル役は、同シリーズで凶暴なアライグマ・ロケットの声を演じたブラッドリー・クーパー。同作のヨンドゥの部下クラグリンを演じたガン監督の弟ショーン・ガンは、コミック由来のキャラクター、マクスウェル・ロード役でラスト近くに登場し、記者のインタビューに答えている。

 また、スーパーマンの秘密基地「孤独の要塞」でスーパーマンを支えるスーパーマンロボたちの声で、マンティス役のポム・クレメンティエフ、ヨンドゥ役のマイケル・ルーカーが参加。ロボットたちの中で一番目立つ4号/ゲイリーの声は、ジェームズ・ガン製作総指揮・原案・脚本のアニメシリーズ「クリーチャー・コマンドーズ」のDr.フォスフォラス役を務めるアラン・テュディック。他にも、ドラマ「ピースメイカー」のハーコート役で、ガン監督の実の妻でもあるジェニファー・ホランドもロボットの声で参加している。

「ピースメイカー シーズン2」キービジュアル

 また、ガン監督が手がけたDC映画『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』からは、2人のキャラクターが登場。まず、同作のスピンオフドラマ「ピースメイカー」も続行中のピースメイカージョン・シナ)が、テレビ番組のインタビューでスーパーマンを批判する。

 そしてもう1人、アマンダ・ウォーラー長官の部下で、最後は長官を裏切ってスクワッドたちに味方したフロー・クロウリーが登場。同作でこの役を務めたティナシー・カジェセが再演している。登場するのは、レックス・ルーサー(ニコラス・ホルト)が、政府に自分の軍隊の権限について交渉するシーン。ルーサーが会う、政府の役人3人のうちの一人が彼女だ。どうやらクローリーは政府内で出世しているようだ。

 また、ガン映画の常連以外にも、ビッグなカメオ出演がある。リチャード・ドナー監督の『スーパーマン』(1978)でスーパーマンを演じたクリストファー・リーヴの実の息子ウィル・リーヴだ。クラーク・ケントが勤務するメディア「デイリー・プラネット」内のテレビに映るニュース番組のリポーターを演じている。本人自身、実生活でもABCニュースの特派員として活躍中だ。

ADVERTISEMENT

歴代映画・ドラマのオマージュ

 本作には、ウィル・リーヴのカメオ出演を筆頭に、ドナー監督版『スーパーマン』へのオマージュが随所に盛り込まれている。予告編でも流れたテーマ音楽は、巨匠ジョン・ウィリアムズが生み出した「スーパーマンのテーマ」のアレンジ版。ガン監督自身が「ドナー監督版のジョン・ウィリアムズのテーマ曲の“俺たちバージョン”を創った」と語っている。また、オープニングとエンディングのクレジットの文字のデザインや配置も、ドナー監督版を意識したものだ。

 もう一つ、ドナー監督版のオマージュは、レックス・ルーサーの恋人イヴ・テシュマッカーの登場だ。このキャラクターは、ドナー監督版で初登場し、その後コミックデビューを果たした。ドナー監督版でも本作同様、ルーサーを裏切る行動に走る。ドナー監督版ではヴァレリー・ペリン、本作ではポルトガル出身のサラ・サンパイオが演じている。

 そして、若き日のスーパーマンを描くドラマ「ヤング・スーパーマン」(2001=2011)のオマージュも見られる。レックス・ルーサーが経営する企業の名は、コミックではレックスコープだが、本作では「ヤング・スーパーマン」と同じルーサーコープだ。また、同ドラマでレックス・ルーサーを演じたマイケル・ローゼンバウムが、ルーサーの手下である部隊「ラプターズ」の一人の声を担当している。

 前述のガン監督のアニメシリーズ「クリーチャー・コマンドーズ」とのリンクもある。リック・フラッグ・シニアフランク・グリロ)はコミック由来のキャラクターだが、このアニメに登場済みで、グリロが声を務めている。また、実際のCNNのアナウンサー、ジェイク・タッパーが、アナウンサーのジャック・タピア役で登場するが、同キャラクターは「クリーチャー・コマンドーズ」に登場済みだ。

 そして、スーパーマン/クラーク(デヴィッド・コレンスウェット)が好きなバンドだと言うザ・マイティ・クラブジョイズ(The Mighty Crabjoys)。カンザスの実家の部屋にバンドのポスターが貼ってあるが、これは実在しない架空のバンド。彼らも「クリーチャー・コマンドーズ」の第2話「トルマリンのネックレス」に、登場人物が着ているTシャツの柄として登場している。

ADVERTISEMENT

DCコミック関連の小ネタもたっぷり

 本作は細かいところに、コミック由来のアイテムも詰まっている。まず、レックス・ルーサーが収監される刑務所ベル・レーヴは、コミックが原点で、映画『スーサイド・スクワッド』でもお馴染みのあの監獄。また、紛争関連の地名ボラビアジャルハンプルもコミック由来。地名では、ロイス・レイン(レイチェル・ブロズナハン)が自分の出身地だと言うベイカーラインもコミックに存在する。コミックでは、彼女の同僚ジミー・オルセン(スカイラー・ギソンド)の出身地だ。

 また、テレビのニュース番組「GBSニュース」、ホークガールたちのスポンサー企業「ロード・テック」、クラークの実家の部屋にペナントが貼られている高校時代のフットボールチームの名前「スモールヴィル・ジャイアンツ」も全てコミック関連のイースターエッグだ。

 さらに、KIAJU(怪獣)が暴れているシーンなどでちらっと見える街の看板には、DCコミックやDCドラマでお馴染みのチェーン店や商品名が確認できる。コーヒーショップ「Jetters Coffie」、ハンバーガーショップ「Big Belly Burger」、人気コーラ「Zesti Cola」、ライバル企業のコーラ「Soder Cola」、クッキー「Chocos」もコミックが原点だ。

ADVERTISEMENT

ガン監督流のポスト・クレジットシーン

 マーベルのスーパーヒーロー映画は、ポストクレジット・シーン(以降、ポスクレ)に、新作の予告的な要素を入れるのが定番。しかし、本作にある2つのポスクレは、どちらも予告ではない。最初のポスクレでは、プロモーション初期に公開された画像と同じ、スーパーマンと犬のクリプトが宇宙から地球を眺めているシーン。2つ目のポスクレは、スーパーマンが、分裂後に再統合されたビルの接合面が少しずれていることを、ミスター・テリフィック(エディ・ガテギ)に指摘したことで彼を怒らせてしまい、自分はイヤなヤツだと反省するシーン。どちらもうっとりさせたり、笑わせたりするだけで、ストーリーには絡まない。ここにも、ガン監督の「本作はこれまでのスーパーヒーロー映画とは違う」という主張が感じられる。 

 では、本作には今後への布石が全くないかというと、そんなことはない。DCスタジオは、本作の登場人物に関連する新作を何本も発表している。スーパーマンのいとこスーパーガール(ミリー・オールコック)は、単独映画『スーパーガール(原題)/Supergirl』(2026年6月26日全米公開)が控えている。グリーンランタン/ガイ・ガードナー(ネイサン・フィリオン)は、ドラマシリーズ「ランタンズ(原題)/Lanterns」(2026年米配信予定)に登場する。また、彼やホークガール(イザベラ・メルセド)、リック・フラッグ・シニアはドラマ「ピースメイカー」シーズン2(8月22日よりU-NEXT独占配信)にも登場するのだ。

『スーパーガール(原題)/Supergirl』ティザービジュアル

 本編にはもう一つ、今後への布石が隠されているかもしれない。DCのスーパーヒーローチーム、ジャスティス・リーグを連想させる要素がいくつもあるのだ。まず、グリーン・ランタンは、チーム名を「ジャスティス・ギャング」と名付け、何度も「仮の名前だ」と言う。そしてロイス・レインが彼らを訪ねた先は、コミックではジャスティス・リーグの本拠地であるホール・オブ・ジャスティス。その建物の壁画には、何人ものスーパーヒーローの姿が描かれており、DC映画の今後は、ポスクレではなく本編で予告されているのかもしれない。

映画『スーパーマン』は全国公開中

(C) & TM DC (C) 2025 WBEI

※VODサービスへのリンクにはアフィリエイトタグが含まれており、リンク先での会員登録や購入などでの収益化を行う場合があります。

関連記事: