チャンス量産の攻撃と徹底されていなかった5バック。 勝ち点3と授業料とともに残り6試合へ [J32節 FC東京戦レビュー]

チャンスの山を築いていく

マリノスは前半から効果的な攻めで決定機を作り出していく。

34分、ジョルディ・クルークスのFKを角田涼太朗が頭で合わせるもバーに弾かれる。続く40分には相手GKのミスを誘って高い位置でボールを奪い、最後はクルークスの折り返しを植中朝日が左足で狙うも、これはミートできず。しかしゴールの匂いは確実に近づいていた。

極めつけは前半アディショナルタイムのワンプレーだろう。右サイドで得たFKをクルークスがゴール前へ送ると、これに飛び込んだのは谷村海那。見事にゴールネットを揺らしたかに思えたシーンは、VAR判定の末に取り消しとなる。いつ得点が入ってもおかしくない状況を作り出せていたのは間違いない。

そして後半に入った52分に待望の先制点が生まれる。得点者はリスク管理の達人として名を馳せているボランチの喜田拓也だった。

喜田は加藤蓮からのスローインを受けるためにするすると前線のスペースへ進出。しかしマリノスはボールを奪われてしまい、守備への切り替えを余儀なくされる。すぐさま守備のスイッチを入れたのはストライカーの谷村だった。プレスバックで奪うと、角田がユーリ・アラウージョとのパス交換から左サイドへ進出する。

角田は間髪入れずにファーストタイムクロスを選択。そこに待っていたのが谷村に代わって最前線の位置に入っていた喜田だった。アレクサンダー・ショルツを左手でブロックしながらクロスに飛び込み、頭で合わせる。会心のヘディングシュートがゴールネットに突き刺さった。

59分には渡辺皓太の低くて速い折り返しを谷村が合わせて追加点を奪い、62分にはクルークスの鋭いクロスを再び谷村が頭で合わせてこの日2ゴール目。今夏に加入した背番号48は幻となった前半のゴールシーンも含めて“ハットトリック級”の活躍だった。

授業料をどこで回収するか

問題は3-0となったあとの試合の進め方だった。

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