au、「あのスマホ」以来、およそ13年ぶりにモトローラ端末を発売へ
au(KDDI、沖縄セルラー電話)は9月30日、モトローラ製の折りたたみスマートフォン「motorola razr 60 ultra」を12月中旬以降に発売すると発表した。同社がモトローラ端末を取り扱うのは2012年3月発売の「MOTOROLA RAZR IS12M」以来、約13年ぶりとなる。
razr 60 ultraは、バックカバーに高級車のシートにも使われるアルカンタラ素材を採用した。スマートフォンでの採用は世界初となる。耐久性と耐光性に優れ、温かみのある手触りを実現した。カラーはPANTONE Scarab(スカラベグリーン)の1色展開だ。
プロセッサーにはQualcommの「Snapdragon 8 Elite」を搭載した。前世代のSnapdragon 8 Gen3比でAIパフォーマンスを45%向上させた。モトローラ・モビリティ・ジャパン開発事業部長の伊藤正史氏は「moto aiをはじめ、カメラ撮影、動画編集、ゲームなど、さまざまなアプリがスムーズに動作する」と説明した。
moto aiには、メッセージアプリの通知をまとめて表示する「とりまリスト」、音声をリアルタイムで文字起こし・要約する「おまとメモ」、撮影した画像をメモ付きで保存し後から呼び出せる「お気にいリマインダー」などの機能を搭載している。
カメラは3つすべてが約5000万画素という構成を採用した。10月10日に発売する「razr 60」シリーズと比較して、より高速なプロセッサー、急速充電、高性能カメラなど、フラッグシップモデルならではの機能強化を図った。
モトローラは2024年12月にrazr 50dでNTTドコモ向けに18年ぶりに端末を提供した。今回のau再参入と合わせて、ソフトバンク、ドコモ、auの大手3キャリアで製品を展開する体制が整った。
モトローラ・モビリティ・ジャパン代表取締役社長の北原秀文氏は、囲み取材で「ソフトバンクさん、ドコモさんに加えて、KDDIさんともパートナーシップを広げていただくことで、より多くのお客様にモトローラをお使いいただけるようになる」と期待を述べた。
ソフトバンクでは既にローエンドからミドルレンジまで幅広いラインナップを展開している。今回のau復帰により、各キャリアとの関係を横に広げていく戦略を進める。「各社さんパートナーさんの事情がありますので、いつのタイミングでどの機種というのは相談をしている」(北原氏)という。
razr 60 ultraは12月中旬以降の発売を予定している。価格は未定だが、11月下旬に詳細を発表する。au版は衛星とスマートフォンの直接通信サービス「au Starlink Direct」に対応し、発売時点ではメッセージ送受信が可能だ。データ通信は今後のソフトウエアアップデートで対応予定となっている。また、高速・大容量な5G通信(Sub6/ミリ波)を認識できる「5G+」アンテナピクトにも対応する。
au版の他に、オープンマーケットモデル(SIMフリー版)を販売するほか、MVNOのIIJmioも取り扱う。