売上や役職を出せなくなった「ホスト看板」はどうなったか? 歌舞伎町に見に行ったらアノ人の店の看板が最強だと思い知った

2025年6月28日、悪質なホストクラブへの罰則や規制を強化する「改正風俗営業法」が施行さてた。これによりホストクラブの看板の常套句でもあった、「指名ナンバーワン」や「〇〇〇〇万プレイヤー」、それから役職などを明示することができなくなった。これにはホストの過度な競争意識を抑制する狙いがある。

施行されて歌舞伎町のホスト街の看板はどうなったのだろうか? 実際に見に行ってみたところ、以前とは明らかに様子が異なっていることがわかった。だが、あのカリスマホストの経営するクラブの看板はまったく変わっていなかった。あの看板は最強であることを思い知った……。

・ホスト看板はどう変わった?

以前からホストクラブをめぐって、女性客が多額の借金を背負うことが問題になっていた。看板などで売上や役職を明示することによって、ホストに過度な競争意識を持たせることがその背景にある。目標達成のために、恋愛感情につけ込み過剰に飲食させるいわゆる「色恋営業」を仕掛けるケースも後を絶たなかった。

改正法では、売掛金やスカウトバックを禁止すると共に、看板・広告で競争を生じさせるような文言を使用することを規制している。すでにSNS等でホスト看板に変化が見られることが報告されているようだが、実際はどうなのだろうか? 平日昼間に歌舞伎町におもむいてみた。

まずはホスト看板が集中している花見通り沿いの「エコロパーク歌舞伎町第21」を見てみよう。ここは人気ゲーム『龍が如く』でもお馴染みのホスト看板スポットで、シリーズ定番のサブストーリー「殴ってみろ屋」の発生場所でもある。

現地に行ってみると、一見変わらないようなのだが……。あ! なんか今までと違う

ところどころ、看板ではなく黒いボードになっている場所があるな。これは看板を取り下げたのか、それとも元々看板が入っていない場所だったのか。

Googleのストーリービューで確認してみると、2024年12月の画像では黒いボードになっているのは1カ所だけだった。だが、現在は6カ所がボードになっている。ボードになったのが改正法の施行後かは不明だが。

それからお店によって、看板の一部に黒塗りが施されている。これは役職や売上などが記載されているため、消したものと見える。看板をかけ替えるだけの時間の余裕はなかったのかも。

黒く塗り潰したり、テープで覆ったり。

こちらはストリートアートっぽく消してるけど、ちょっとだけ下の字が見えちゃってるね。

建物の壁面に掲げた縦長の看板は、文字を消すのが大変だっただろうなあ。いっそ付け替えた方が早かったのでは。とはいえ、付け替えるのにも金はかかるんだろうなあ……。。

各店舗があの手この手で対応に追われたであろうなかで、あのカリスマホストのお店前の看板はまったく変わっていない。いや、変える必要がなかったのである。その看板がコレ!

「世の中には2種類のホストしかいない。

俺か、俺以外か。」

この文言だけで誰かわかってしまう。そう、あの人、ローランドさんだ。ある意味最強のホストクラブ看板ではないだろうか。

とにかく改正法が施行されて、まだ1カ月も経っていない。はたして効果はあるのだろうか? これによって少しでも悪質ホストクラブが減少することを願っている。

参考リンク:NHKニュース 執筆:佐藤英典 Photo:Rocketnews24

Screenshot:Google ストリートビュー

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