イスラエルがGoogle Playで500万回以上ダウンロードされている人気のイラン向け礼拝アプリ「BadeSaba」をハッキングしイラン軍関係者に離反を促すメッセージを送信

セキュリティ

アメリカとイスラエスによりイランへの軍事攻撃が実行された2026年2月28日に、イランで広く利用されているイスラム教徒向けの礼拝アプリ「BadeSaba Calendar」(BadeSaba)がハッキングされていたことが明らかになりました。

Israel Hacked Popular Iranian Prayer App to Urge Defections, Resistance

https://www.wsj.com/livecoverage/iran-strikes-2026/card/israel-hacked-popular-iranian-prayer-app-to-urge-defections-resistance-wtYyb29CmKrTXoJBIV3C

‘Patriots, keep protesting’: Iranian prayer app with five million users hacked by Israel, says report | World News - The Times of India

https://timesofindia.indiatimes.com/world/middle-east/patriots-keep-protesting-iranian-prayer-app-with-five-million-users-hacked-by-israel-says-report/articleshow/128921323.cms

BadeSabaはイスラム教における礼拝への呼びかけ「アザーン」を通知してくれるアプリです。Google Playの配信ページによると、BadeSabaのダウンロード数は500万回を超えています。

BadeSaba Calendar - Google Play のアプリ

https://play.google.com/store/apps/details?id=com.mobiliha.badesaba.play

BadeSabaが、2月28日にイラン軍の治安部隊員に対して「持ち場を放棄し、解放軍に加わるように」というメッセージを送信していたことが報じられています。報道によると、このメッセージはアメリカ・イスラエルによるイランへの軍事攻撃が激化する中で発生したそうです。一部のメディアはBadeSabaに表示されたメッセージは、イスラエルのハッキング攻撃によるものと報じていますが、記事作成時点で公式な確認は取れていません。なお、BadeSabaに解放軍への参加を促すメッセージが表示された後、イラン全土でほぼ完全なインターネット遮断が発生したため、このハッキングに関する独立した検証は困難だそうです。 BadeSabaに表示された「解放軍への参加を促すメッセージ」はソーシャルメディア上で複数のユーザーにより共有されています。

あるユーザーが投稿したスクリーンショットは以下。同氏は今回の攻撃について、「BadeSabaはニッチなアプリではありません。インストール数は合計で3700万回あります。アザーン付きの祈祷カレンダーで、イランで最も人気のあるアプリのひとつです。プッシュ通知を乗っ取るのは、BBC Weatherアプリをハッキングして、代わりに戦争のメッセージを放送するようなものです」と語りました。

BadeSaba is not a niche app - it has 37 million installs. It’s a prayer calendar with azan, one of the most popular apps in Iran. Hijacking its push notifications is like hacking the BBC Weather app and broadcasting a war message instead. pic.twitter.com/pd3Vu9HVxP

— Lukasz Olejnik (@lukOlejnik) February 28, 2026

別のユーザーは「イランの報道によると、イスラエルが祈祷通知アプリをハッキングしました。ユーザーが受け取ったメッセージは『助けはもうすぐそこだ』などの、体制の兵士たちに対して武器を捨てるよう直接呼びかけるような内容です」と報告しています。

BREAKING: Reports from Iran say Israel hacked the prayer notification app.Users received messages like:

“The help is on the way”, and direct calls for regime soldiers to lay down their weapons and join their brothers. pic.twitter.com/9GRN9sIzx5

— Yossi BenYakar (@YossiBenYakar) February 28, 2026

専門家は「厳しく統制されたイランのメディア環境において、ユーザー層のほんの一部にでもリーチできれば大きな意味を持つ」と述べ、BadeSabaへのハッキングの意義を指摘。また、ハッキング直後にイラン全土でインターネットが遮断されたため、このメッセージを受信したデバイスの数は不明であると専門家は指摘しています。また、複数のイスラエルメディアは匿名の治安当局者の発言を引用し、「このハッキングはイラン政権に対するイスラエルのより広範なキャンペーンの一環」であると報じました。

攻撃者がアプリのバックエンドにアクセスすることができれば、何百万台ものスマートフォンに瞬時にメッセージ(プッシュ通知)を送信することが可能です。イスラエルは以前にも同様の戦術を用い、信頼できる国内の情報源から発信されたように見せかけた偽の警告や警報を送信しています。BadeSabaへのハッキングもこのパターンにならったものであるというわけ。 イランの一般市民や兵士にとって、信頼するアプリが突然予期せぬメッセージを通知してくることは、深刻な不安を抱かせる可能性があるとThe Times of Indiaは指摘しています。同メディアは「祈祷アプリのハッキングは単なる孤立した出来事ではありません。これは現代の紛争におけるより広範な変化を反映したものです。戦争はミサイルや制裁だけではなく、通知やインターフェース、疑惑の瞬間を個人のデバイスに直接届けることでも戦われているのです」と報じました。 なお、イランの国営メディアは今回のハッキングを非難しています。

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