パナソニックHD、4─6月期は3.8%の営業増益 通期見通し据え置き
26年3月通期の業績予想は据え置いた。米関税の影響については今後の動向を見極める必要があるとして織り込んでいないが、追加関税に関するコスト増は原則、価格改定で対応する。
和仁古明最高財務責任者(CFO)は決算説明会で「期初の想定よりは影響が小さくなっていっているというのが今の方向感だ。価格政策を通じて顧客への負担もお願いをしていくという活動には変わりない」と語った。
昨年末に車載部品を手掛ける子会社オートモーティブシステムズを非連結化した影響で、売上高は同10.6%減の1兆8966億円となった。
家電は日本が前年並みだったが、中国は補助金効果もあり販売増となった。データセンター向け蓄電システムも好調だった。車載電池は北米工場の販売量が拡大したものの、原材料価格低下に伴う価格改定により減収となった。米関税は、営業利益を58億円押し下げた。
生産開始が遅れていた米カンザス州の車載用円筒型リチウムイオン電池の新工場については、今月に量産を開始し、第2・四半期(7─9月期)に出荷予定とした。将来的に年間約32ギガワット時に引き上げる予定だが、和仁古CFOは「到達時期は従来(計画)よりは少し後ろに倒れてくる」との見通しを示した。
26年3月通期の業績は、営業利益は前年比13.2%減の3700億円、売上高は同7.8%減の7兆8000億円を見込む。
米関税の調整後営業利益への影響額は連結売上高の1%未満となる見込み。関税影響を受けるのはアビオニクス(機内エンターテインメント)や車載電池、産業・民生(蓄電システム)としている。
また、コネクトの樋口泰行最高経営責任者(CEO)が来年3月末で退任することも発表した。樋口氏はパナソニック前身の松下電器産業に入社し、約10年で退社。その後、日本ヒューレット・パッカードやダイエーで経営の指揮を執り、17年に古巣に復帰していた。
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